70年代末のロンドン。パンクをこよなく愛する冴えない青年”エン”は二人の悪友とともにライブの打ち上げ会場に向かうものの道に迷ってしまう。
途方に暮れた彼らの目に映り込んできたのは、窓から色とりどりの照明が漏れている売り家であった…。
原題、邦題から想像されるボーイミーツガール物語のスケールを大幅に超えた名作。
個人的に『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』は世間で謳われるほどハマれなかった作品だったが今作には参った。OPタイトルの魅せ方がとにかくクール。
ド派手なパンクファッションにまず目を奪われたが、奇天烈の覇権を争うかのように登場する宇宙コロニーファッションもこれまた最高。
「パンク VS コロニー」という大一番のファッションバトルがこれほどユニークな名勝負になるとは思わなかった。
人間も宇宙人も一癖二癖勢ぞろい、やさぐれながらもどこか優しさを見せるニコールキッドマンが特に良い。
音楽の使い分けもパンク、宇宙それぞれの特色がハッキリ「耳」で分かるようになっており、「愛」や「親子」のテーマを掬い上げて纏め上げる展開と主題曲に不覚にも涙がこぼれてしまった。やられた。
宇宙人のヒロイン演じるエル・ファニングも地球人がやりそうでやらない仕草を見事にやってのける。素晴らしかった。
MVのように描かれた二人だけの世界の美しさも惚れ惚れ。
おそらく、多くの人の予想を大幅に超えて楽しめる作品だと思います。