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パーティで女の子に話しかけるにはのmsyのレビュー・感想・評価

4.0
オープニング、お母さんに小銭もらって
友だちと一台の自転車に乗って
ライブへ繰り出すエンが眩しい。

眩しい時期を過ぎても
まだまだアイデンティティは
揺らぎそうになる、
とっくの昔に大人になった自分の
その隙間にスルリと入ってくる
パンク・ムービーでした。

ヘドウィグ〜でも監督のテーマであった
分かたれた二つが探し合う衝動、
それが愛である。
たとえ片方が宇宙人だって、
もともと一つだったのならば
熱烈に求め合うんだよ…
パーティで女の子に
話しかけることもできないエンが
自分の片方を見つけるだなんて
これ以上ない素晴らしい出来事なわけです。

世の中のカップルが
全て正しいマッチングではなさそうなので
見つけ合ったというだけで
途方もなく幸せで美しく
あのエンディングは
それが正しかったと思わせるわけで。
泣きました。

コロニーの各概念と
彼らが何しに来たのかとかは
よく分からなかったけども
活動を見てるだけで面白かったです。
水色とオレンジのグループなんて特に。

エンのお父さんはパンクな人だったけど、
それゆえに息子を捨てた。
その矛盾に向かって叫ぶ
エンにはエンのパンクが生まれた。
エンは友だちと音楽の同人誌みたいなのを
作っていて、イラストすごく上手い。
そして映画全体が芸大の文化祭みたいな
(ごめんなさい行ったことないですが
そんなイメージです)
手作り感があるよなあと思っていたら
パンフレットに監督の「パンクとはDIY」
とのコメント。そうだったのか!
でもなんとなくその精神分かった気がする。

あとは宇宙人すら籠絡する
ニコール・キッドマンの目力!
さっすがーーー!
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