ヒラツカ

パーティで女の子に話しかけるにはのヒラツカのレビュー・感想・評価

4.0
エル・ファニング目当てでなんとなく借りたら、監督、ジョン・キャメロン・ミッチェルだったのか。そりゃこんなことになるわ。徐々に四肢が生えての分裂や、あごを外して頭からかぶりつくみたいな、実写じゃ視たことのないシーンが楽しかったし、一方で、エルがボーカルとなったライブのシーンは、純粋に楽しくて、でも途中からあっちの世界に行ってしまった。そんなことしちゃだめだよ、一気にカルト映画だと思われちゃうところだったじゃないか、危なかった。
危なかったというのは、この人の映画は、そっち側に行ききっちゃうということがないのだ。たぶんこの人、理性的な常識人の感覚が、ちゃんとわかっている。だって、奇抜なことをするキャラクターがいても、それにリアクションをとる人を、必ず配置しているのだよね。これって、日本の笑いに近い。漫才やコント、ギャグ漫画なんかでも、必ずツッコミがいて、「破綻」への、注意・説明・驚き、なんかの役目をしているのだ。演じながらもナレーターをする落語や講談もそうかもしれない。海外の笑いには、意識的な「ツッコミ」はないはず。
「エイリアンVS」はいろいろとあって、「プレデター」や「カウボーイ」は傑作であったが、今回は「エイリアンVSパンク」だった。最後の方でようやくあの人がニコール・キッドマンだとわかった。さいきん、通勤中に聴きたくなるのが、ラモーンズとかクラッシュとかだったので、パンクの気分だったことは間違いないから、ちょうどよかった。楽しかった。