Jin

パーティで女の子に話しかけるにはのJinのレビュー・感想・評価

3.5
”簡単なことさ。忘れるな。
お前はお前 彼女は彼女だ。
交わると別のものになる”



宇宙人の女の子とパンク大好き少年の恋物語SF映画。

思ったよりSFだった。
高度な宇宙人と現代美術を組み合わせて、70年代のパンクとの共通点を見出そうとする面白い視点。
たしかに、「殻をぶっ壊そう!」みたいな感じ似てるなあ。

普通の宇宙人映画は人間に何かをもたらしたりするけど、この映画の宇宙人は完全に「学びにきました」という社会科見学スタンスで不思議。だから宇宙人映画っぽくない。
発達しすぎて種の自滅を目指すようになる宇宙人の描写は、現代社会の風刺っぽい。人口減少する先進国、みたいな。

おバカで自由なパンクの人々と高度すぎる宇宙人の間では会話が成立しちゃうみたいな設定も笑えた。

ここまでの設定は面白かったのに、そこに「愛」がどうこうっていう安っぽい要素を入れちゃったから、ややこしくなっちゃった…
急に宗教思想的な話になってしまった。
「親になる難しさ」の話も感動はするけど、この映画でする必要はなかったなあ…

いろんなことしようとしすぎて難しくしちゃったけど、その分、音楽と色使いで和らげようとしたのだと思う。ただ、そのおかげで印象に残りにくく、もっと理解しづらい世界設定になってしまった感じ。

エルファニングの魅力で持ちこたえてる感。
Jin

Jin