恭介

パーティで女の子に話しかけるにはの恭介のレビュー・感想・評価

3.7
監督のミッチェルさんが捻り出した脳内イメージの洪水が押し寄せる摩訶不思議な世界観。

ジワジワとボディブローのように効いてくるアブノーマルな映像表現に面喰らったり呆気にとられたり笑えたり感心したり。

しかし、色んな装飾を剥がして剥がして剥がしまくっていくと核として残るのはラブストーリーだ。
その核だけを見るとそこまで目新しい設定でもない。
簡単に言ってしまえば、異文化や異なった世界観を持つもの同士の恋。例えば超ど田舎から来た者と大都会に住む者とか、未来からタイムスリップして過去に来た者とその年代に住む者と、とか。

その習慣や価値観や文化のギャップが楽しく、色んな出来事を乗り越えてお互いを理解しつつ、親交を深めていく。
本作も交わる事のない地球人と宇宙人の若者が主人公。宇宙人女子は異様に首の長いエル・ファニングの為にあるような役でハマり役(笑)

そして、2人の親睦を深めるキーアイテムとなるのがパンクロックだ。
このパンクロックが、お互いの常識をブチ破れ!というメタファーに使われており、
エル・ファニング演じる主人公の宇宙人女子が、パンクが登場した当時の若者達がそうだったように経験したことがない衝撃により覚醒していく。そしてそこに導いていく彼氏の存在は彼女の中で益々大きくなっていくのは至極当然である。

自分達と異なる者に恋をしてはいけないのか?今の自分達の生き方はこのままでいいのか?という思春期にありがちな反抗心や常識に対する疑問が中盤エル・ファニングがライブステージでシャウトするシーンで文字通り、ハジける。

宇宙人達の既存のルールが体制側だとしたらまさしくパンクロッカーのエルは反体制の反逆児だ。しかし反逆児に色恋沙汰はご法度と言わんばかりに、主人公2人の恋に障害が立ちはだかる。

そしてエルが下さなければいけない決断は、まさしく少女が大人になる通過儀礼。
それを受け入れざるおえない彼にも男になる通過儀礼だ。しかしこの恋はお互いにとって人生を左右する程の恋だった事には変わりない。

ラストは蛇足のようにも思えるが、個人的にはハッピーエンドと思って観終えたので後味が良かった。

結果、あぁこんな恋がしてみたかった(笑)