イチロヲ

(秘)大奥外伝 尼寺淫の門のイチロヲのレビュー・感想・評価

4.0
将軍家重を腹上死させた大奥女中(小川節子)が、男子禁制の比丘尼屋敷に送られてしまう。亡き将軍の位牌との同棲生活を強制させられた女中の数奇な運命を綴っている、日活ロマンポルノ。

生まれながらの不運と娼婦性を抱えている女性が、不当に禁欲生活を強いられる。端役では、主人公によってレズビアンの本能を焚き付けられる比丘尼(宮下順子)、屋敷内の女中を統率している女ボス(花柳幻舟)などが登場する。

主人公に接近する放火魔を演じているのは、筆者のフェイバリット男優・益富信孝。このふたりが密通を繰り返すことにより、情欲が堰を切ったように迸り始める。そして、禁戒の歓びが表出してしまう。

江戸時代を再現した舞台セットはさることながら、芸達者な役者が総出演して、インモラルな芝居を披露してくれるところが嬉しい限り。屋敷で発狂して色キチガイになった比丘尼が面白くてたまらない。
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