地獄突きビグザム

無限の住人の地獄突きビグザムのネタバレレビュー・内容・結末

無限の住人(2017年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

 100人斬りと恐れられた伝説の人斬り万次。妹を失い生きる意味を失った時、八尾比丘尼に永遠の命を与えられ、死ねない体になり生きることに何の意味も見いだせない人生を送るっている、ある日に両親の仇討ちの助っ人を依頼をしたいと現れた少女が現れる。万次は娘の用心棒になり敵である逸刀流と壮絶な戦いをするアクション映画。
 
 原作は読んでいます。最初に個人的にこの漫画の魅力は何かなと考えると1つは敵討ちを通しての娘の凛・万次の成長。もう1つがこの作品、江戸後期の話(勤王派が出現する手前)の話なので時代より早く生れた価値観をもつ人達(志士)の話と2つの魅力があると思います。出てくる人物は全て敵・味方すべてマイノリティーな人達しか出ていません。この時代では到底生きられない人たちばかりです。漫画では火縄銃は刀の時代の終わり示しており、せつなかったです。
もちろん黒衣やシラや司戸のような今でもアウトはいますが・・・。

 映画版では敵討ちのみに焦点をおき万次の変化に重点をおいています。ストーリーが進むにつれ血仙蟲の効き目が薄くなるにつれて万次の人間らしさが徐々に戻ってくるところはよかったです。またこれにより凛の行動に説明がつきわかりやすくなっていました。後、あれだけの大人数でチャンバラをされると迫力があります。ですがやはり役者さんがあまり殺陣に慣れていない為なのか、カットが多くあまりしっかり見せてくれないところが多かったのも事実です。

 主役の木村さんはかなり演技はいつもの癖みたいなものを見せないようにしていたと思います。もしかしたら役者として不器用な方なのかもしれません、どことなくぎこちない印象も受けました。しかしその不器用な感じが、万次の不器用なツンデレな感じにフィットしており逆によかったと思います。

 さいごに原作が長いので大いに話がきれており急展開なところはあり、無骸流の面々の映画での必要性はなくなっておりますが、まあアクション映画としては楽しかったと思います。