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無限の住人の創のレビュー・感想・評価

無限の住人(2017年製作の映画)
3.0
キムタクが苦手というフィルターは、原作を知らない。という強みによって解除された気がする。

三池監督の泥と血のエグい感じが好き。
キムタク苦手。超苦手。

という両者を天秤にかけた結果、それでも三池監督のエグいのスキー!と呑気に観てきた。

思った程エグさは無かったけど、苦手なキムタクは気にならなかった。

生きるとは。死ぬとは。
不死身である事とは。
私的制裁の良し悪しとは。
復讐が生む負の連鎖とは。

みたいなのが内包されてるはずなのだけど、そんなの次から次に現れる敵とのチャンバラの間ですっかりどうでも良くなってしまった。

殺陣自体、全体を俯瞰する構図が少なくて残念ではあるけど格好良く見えたし、
個々の俳優が持つ身体能力の高さみたいなのは十分垣間見えたと思う。

杉咲花も戸田恵梨香も可愛くて綺麗で良いのだけど、
美しい女性不在によって浮かび上がる男性の美しさと、
松方弘樹、役所広司の強さが滲み出る殺陣のあった十三人の刺客と比べると、
福本清三さんの出番だけじゃどうしても物足りない感は否めない。

松方さんは特に、立ってるだけで、刀持ってなくてもなんか違うんだよな。
時代劇だからと安易にそういう格好良さを求めると肩透かしを食らう。

原作を読んでないから、もしかしたらそういう格好良さを求める事自体違うのかもしれないけど。

どんな役でも所謂キムタクに寄せてくるキムタクは本当にすごいと思う。

でも、私はエグい三池監督が好きなので、もう少し三池監督の得意な方に寄せてあったらもう一回観たいと思えるかな。
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