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無限の住人のレクのレビュー・感想・評価

無限の住人(2017年製作の映画)
3.5
キムタク主演というだけで評価を下げる方もしばしば見受けられるが、キムタクがキムタクにしか出来ない演技でした。
いや、演技云々というよりもその役になりきったキムタクは批判対象にはならない。
何故ならそれがキャラとして成立してるから。
キムタクの運動神経を活かしたチャンバラ劇は純粋に評価出来る。

原作は読んでないので万次というキャラを知らないってのもあるけど、人斬り抜刀斎のような達人というわけではなく不死身という設定が彼の唯一の武器なんですね。
傷だらけの身体的な痛みだけでなく、不死身故に万次が抱える内面的な痛みも同時に感じました。

死を覚悟した時、眠っていた力が…みたいな厨二病的なものはなく剣術が特に秀でているわけでもないが、一人の少女を守る為に泥臭く何度でも真正面にぶつかっていく姿は正に漢じゃないですかね。
こんなに頼れる背中って他にありますか!?と言わんばかりのカメラワークも凄く良い。

そして部位破壊描写も迫力でしたが個人的に凄いと思ったのが、"相手を斬り捨てにいく殺陣"なんですよ。
刀同士をカンカンするだけじゃなく、ちゃんと相手を殺す気で斬りかかる。
そんな殺陣が非常に素晴らしかった。

チャンバラのバーゲンセールなのでチャンバラ好きはお腹いっぱいになること間違いなし。
人物描写は希薄で脚本も素晴らしいとは言えない。
各キャラの感情やその状況を読み取りにくいというのも頷ける。
しかし、今作の魅力は登場人物の容姿やインパクトであって、脚本よりも殺陣に力を込めた三池監督の嗜好にあると思います。
クライマックスからエンドロールまでのシークエンスは気持ちいい。
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