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無限の住人のDadmanJPのレビュー・感想・評価

無限の住人(2017年製作の映画)
2.5
この原作を押し込めるには2時間は短いけど、2時間を長く感じる映画だった。

監督・脚本・演出だけで点数をつけるなら1点台。出演者ほぼ全員の演技は良かったので、この点数。

もともとグロ描写の多い漫画なのにR15を回避したせいか、売りのはずの殺陣シーンが平凡になってしまった。戦いの中の動きもどうなってるのか分かりづらい。

何をやってもキムタクと言われる木村拓哉は悪くなかった。時代劇に合っているのかな。キムタクという先行イメージがなければ、しっかり卍として観れたと思う。良くも悪くも、キムタクというイメージは凄い。

ストーリーは、長編の漫画を2時間に押し込んだせいで、物語が軽い。原作で印象的なシーンである黒衣鯖人なども、なんだかよくわからない感じで死んでしまった。もっと猟奇的で恐ろしいシーンだと思うけど、雑な感じ。

閑馬永空は良かった。戦い方も死に方も、ここだけは容赦なく痛々しい。このシーンが一番原作らしさがあった。

後半突然出てくる無骸流のところは物語がブレてしまって、不要だったと思う。それよりは凶戴斗とかもう少し絡ませてくれたら良かったのに。

最後は確かに『13人の刺客』っぽい。でも物足りないというか、軽い感じ。天津役の福士蒼汰は何か深みがなくて、重たいものを背負ってないし、絶望的な強さも感じられず。原作が好きだったのもあるとは思うけど。

全体を通して、木村拓哉も市川海老蔵も杉咲花も演技が良かった。戸田恵梨香も、退場の仕方が悲しいけど良かった。

なにが悪いかといえば監督か脚本か、根本的なところで安っぽいというか、軽さが感じられて、勿体ない映画という印象でした。
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