ゼロ

無限の住人のゼロのレビュー・感想・評価

無限の住人(2017年製作の映画)
1.0
不死身って、死ぬほどめんどくせぇ。

沙村広明先生の漫画を三池崇史監督が実写化したもの。映画としての繋がりやキャラクターを掘り下げることをやめ、物語を完結させるために展開していくので、ガッカリした作品となっています。

物語としては、万次(木村拓哉さん)は最愛の妹を失い、失意の中無謀な戦いに挑む。死を覚悟した行動だったが、謎の老婆によって永遠の命と回復能力を与えられ「死ねない人間」となってしまう。やがて時がたち、彼の前に仇討ちの協力を依頼する少女・浅野凛(杉咲花さん)が現れる。逸刀流の首領、天津影久(福士蒼汰)に父親を奪われた凛に亡き妹の姿を重ねた万次は、彼女を守り抜くことを心に決める。

万次と凛が出会うまでは新しい試みに挑戦しようという気概が感じられるのですが、それ以降は万次VSの形式が続き、続き、続き、最終決戦へと展開していきます。原作では魅力的なキャラクターでも、映画では時間の都合もあり、背景や心情を深掘りすることができません。結果、万次が勝利、また別の敵、万次が勝利、別の敵…とエンドレス。万次と戦うキャラクターのエピソードは次に繋がってないのもあり、単調に感じられます。

木村拓哉さんにしたから魅力が薄れているのでは…?と思う人もいるかもしれませんが、木村拓哉さんは万次のキャラクターを理解し、演じられているので見応えがありました。演技力もあり、数々の修羅場を潜り抜けて来たのもあり、殺陣も良かった。他にも 市原隼人さんや戸田恵梨香さんと脇を固めている俳優もそれぞれの仕事を全うしていました。

1本の作品としてみると絶望的な演出とぶつ切りの物語になっているので、つまらないです。しかし、一人一人の演技や場面を観ると魅せる部分があるので、勿体ない作品でした。最後の300人斬りも大胆で良かったので、惜しい作品でした。
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