Yukiko

ジョン・F・ドノヴァンの死と生のYukikoのレビュー・感想・評価

4.0
2022年8月19日
『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』 2018年カナダ・イギリス制作
監督、グザヴィエ・ドラン。
他の監督作品に『マティアス&マキシム』
『たかが世界の終わり』『Mommy/マミー』がある。

2016年。プラハ。
ルパート・ターナー(ベン・シュネッツァー)は若い俳優。
カフェで女性ジャーナリストからインタビューをされている。
2006年、ルパートが11歳の頃、ジョン・F・ドノヴァン
(キット・ハリントン)という当時の人気俳優と100通以上
の手紙のやり取りをしていた。
その頃を回想して語る。


観終わって、静かで、穏やかな気持ちになる。

ジョン・F・ドノヴァンの死、私も事故だと思いたい。
生きようとしたと考える。

この映画の発端は、ドラン監督が8歳の時に『タイタニック』
に出演をしていたレオナルド・ディカプリオさんに
ファンレターを書いたという思い出が、この映画のヒントに
なったとのこと。

一人一人、いろいろな生き様があるのだなぁ~。
皆、それぞれ生きているんだなぁ~、と当たり前なのだが、
それぞれの立場で、それぞれ考えている事が、この映画では
表現されている。

ルパート、ルパートの母、ルパートの担任の先生、
ジョン、ジョンの兄、ジョンの母、ジョンのマネージャー、
ジョンの恋人・・・
それぞれに、皆、生き様がある。

子役の頃から周囲に誉めそやされた一流人気俳優ならば、
人を見下すこともあるのかも。
それを叱る人もいなければ。
暴力を奮いながら激して語る言葉の荒いこと!
マネージャーから切られて、恋人からも見捨てられて、
初めて知る自分の立場。
でも、そのような事があっても家族は見捨てないね。

ジョンはルパートとの文通を認め、温かい言葉を
ルパートにかける事が出来る人だったならば・・・
そこが残念だ。

孫がファンだと語る老人の助言。
その方の言葉に、長く生きていただけある味わい深い言葉。

きっと、生き続けようと考えたと思いたい。

ルパートの子役の男の子、ジェイコブ・トレンブレイさん、
ジョン役のキット・ハリントンさん、双方、なかなかの
雰囲気ある演技。良かったです💛
Yukiko

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