Rea

ジョン・F・ドノヴァンの死と生のReaのレビュー・感想・評価

4.5
今までの作品の色や光の質感とは異なり、映像がすごくすっきりくっきりしているなというのが第一印象だったのですが、舞台が現代のショウビズということと、70ミリフィルムで撮ったからなのかな。そこを含めてドラン監督ぽくなかったり、でもやっぱりぽかったりで不思議。大きなエモーションの波に揉まれるのとは違う、じっくりゆっくりこの作品のことを考えていたいなと思いました。私は「わたしはロランス」が好きすぎるので、全てのカットがツボを突いてくるみたいなテンションの高まりはないんだけど、でも、なんかかなり好きですね。じわじわきて、バスルームのシーンとラストカットで好きが爆発した。GoTでしか知らなかったキット、ドラン監督が撮るとこういうふうになるのか、スゲーーーの気持ち(笑)あとLine of Dutyが圧巻すぎたタンディ・ニュートン!めちゃめちゃ良かった!幸せ!好き!

自分を偽らずいることの難しさと美しさ、それへの気付き。曝け出せないことによる衝突と、そこを超えて受け入れてくれる存在と。いつも側にいるのにすれ違ってしまう哀しさと、それでもそこに在る愛情。遠く離れた少年にしか心情を明かすことが出来なかった真摯な孤独は、非常にリアリティを伴った業界への警告にもなっている。

この作品の最後に感じられる希望を、大事に大事にしたいな、と思う。
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