れれれざうるす

印度国道10号線のれれれざうるすのレビュー・感想・評価

印度国道10号線(2015年製作の映画)
3.6
ホラーでよく見るリベンジモノのインド版。“名誉殺人”が深く関わっている。インドでの名誉殺人の被害者は主に別のカースト同士の男女で、年間約1000人近く家族に殺されているだとか。
本作は田舎でその現場を目撃して止めに入った男女が巻き込まれちゃったって話。

近年インドではカーストを気にせず恋愛結婚する男女が増加しているけど、なんせインドは広いのでそれが通用しない地域(主に田舎)がたくさんあるんですよ。無論、警察も見て見ぬふり。暗黙の了解のような感じかな?
つまり主人公2人が殺人集団に追われようと助けてくれる人がいない訳。
基本的には8割は逃げて逃げて逃げまくるスリラー。尺が短いというのもあり、ボコられシーンから反撃までの時間わずか数秒、、という最速の記録を叩き出してくれる。「ハリウッドの女はつえぇ!」と今まで思っていたがボリウッドの女も負けません!なんだかんだ前半部分でも殺られる前に殺ってますからね彼女。
アヌーシュカ・シャルマといえば天真爛漫で笑顔が可愛い女優なんだけどそのアヌーシュカが突然何かが憑いたかの様に…スイッチが切り替わったかの様に、淡々と人間清掃作業をこなす姿にはギャップと恐怖がハンパない。感情を一切排除した無表情にただただ開いた口が塞がらない…。キャーキャー叫んでいた彼女はいずこ…。

ただマイナス点としては、エロやグロに厳しいインド製作ということもあり、描写が生ぬるい。(逆に考えれば描写を抑えてここまで魅せれるのは凄い!)
どうせなら途中まで似た展開の「バイオレンスレイク」くらいやってくれていいのよ?それかいっそレイプリベンジモノにして前半で観客をとんでもない胸糞悪い状態にさせてほしかった。まぁ舞台がインドで初っ端からレイプとかちょっとシャレにならないけど、それくらいスレスレだったら世界中の胸糞好きにも評価されたはず。