れれれざうるす

復讐の町のれれれざうるすのレビュー・感想・評価

復讐の町(2015年製作の映画)
4.3
IFFJで観た9作品の中で個人的No.1!妻と子を殺された男とそれにより投獄された男の十数年の復讐劇。
“復讐”に意味はあるのか。何かを得るのか。それで気が済むのか。そんなことを忘れてしまうほどの主人公の強い復讐心。関係のない人までも、自分がされたことを上回る報復を与える様は「病的」
その一言に尽きる。
その傍ら、殺人をしたことに何の罪も感じてない犯人は見ていて清々しいほどズル賢い。15年の刑期があろうとも気にしない。
なのにこの結末はあまりにも酷い。もちろん良い意味で後味最悪。誰がこんなことを望んだだろう、と。

主人公を演じるのは「スチューデントオブザイヤー」のヴァルン・ダワン(男前♡)。犯人を演じるのは「女神は二度微笑む」「めぐり逢わせのお弁当」などのナワーズッディーン・シンディッキー。二人の緊迫した演技は本当に素晴らしい。演技あってこそ!

IFFJで2番目にお気に入りの「野獣一匹」同様、ヒロインが最初に殺されるとこから始まるので、ヒロインとの出会い・馴れ初め・幸せなシーンを合間合間に挟んでくる憎い演出。切ないに決まってる。「今日にでも死にたい気分」「いっそ銃で身体中に穴を開けてほしい」と歌詞にあるが、それほど主人公の喪失感は計り知れない。
犯人の女をレイプしたりするシーンは見ていられない…。そんなに人生と自分を捨てなくてもいいじゃないの…。犯人が主人公に「俺は殺人犯だが、お前は病気だ」と言うが、本当にその通りである。一生治らない病気。

復讐の先にあるのは・・・
復讐の先にあるのは・・・