マーチ

ノー・エスケープ 自由への国境のマーチのレビュー・感想・評価

3.2
【下半期鑑賞映画寸評:2017】

《ワンシュチュにおける地形利用の法則》

レビュー題にも書いてあるように、こういうワンシュチュ寄りの作品は “場” を如何に牛耳るかが決め手となってくると思うのですが、今作はその場使いが非常に上手くて、ロケハンの成果が大いに感じられる反映の仕方が作品全体にされているので、人物たちの焦りとそこから生まれる恐怖がダイレクトに伝わってくるのだと思います🔥!!

何故少々熱く語っているのかと言いますと、この系統の作品で大変苦い思いをしたからでありまして、私の過去レビューを遡っていただくと分かるように、『ハンティング・パーク』という作品を酷評している経緯がありまして、あの作品が好きな方には申し訳ないのですが、私はあの作品の倫理的な面での描き方とか実話を扱う際の配慮の欠落した姿勢に物凄く反感を抱いており、生涯ワースト10は免れないだろうと確信しているので、同タイプの今作に少なからず影響があるのではないかと思っていたのですが、それが杞憂に終わるほど今作は誠実な作品でした。

ただ不満があるとすれば、殺戮爺さんと犬🐕の関係性ですね。自分で愛犬を殺戮道具の様に扱っているにも関わらず、その愛犬が攻撃されたらわんわん泣くとか(犬だけに…笑)御門違いにも程がありますよ! そりゃ犬に噛み殺さて一生を終えるのとか絶対嫌に決まってるので、人間が反撃しない訳無いじゃないですか! 自業自得ですよ…ワンちゃんはジョン・ウィックの様にホテルのコンシェルジュにでも預けてから殺戮に向かって下さいよ!! まあ、『ドント・ブリーズ』もこの辺の描写はアレですが、今作はもっと酷いですからね…それでいてきゃんきゃん泣く(犬だけに…🐶笑)爺さん何なの…倫理的な部分に何処か欠ける気がするんですよね〜このタイプの作品は何故かそういうのが多い。作品的に面白く加担する要素の1つとして存在するならまだしも何一つ盛り上がらないし、「お前のせいだろ!泣きたいのは犬の方だ!!」って思ってしまう。

そこが少し気になったくらいなので作品的には全然悪くないですよ!
とにかく地形の利用の仕方が上手い👏
砂漠🏜の殺伐とした雰囲気の中で躊躇なく不法入国者を撃ち殺していく老人。動物🐍の出現とか、血を辿る描写だとか、サボテン🌵と岩だらけの地形を活かして岩肌をつたってでも逃げ果せる若者の描写とかが訪れるタイミングが絶妙で、ある種コントっぽくもなっていて、逆にそれが功を奏していることで緊迫感がうまれているというのが素晴らしかった!!

これがゼログラに繋がったとはどうしても思えないんですよね〜そこがまた面白くもある。笑


【p.s.】
下半期に突入しましたが、上半期鑑賞映画のレビューをまだ消化しきれていないため、下半期鑑賞映画も一部は寸評で投稿していきます。

いつもとは違い、極々短いレビューで投稿しています。暇があれば付け加える予定です。

従って、いつもの【映画情報】等もカットさせていただきます。

*詳しくは2017年7月3日に投稿している《『ローン・サバイバー』評》内の【p.s.】をご参照下さい。
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