Chomsky的な考え方をしてるのにChomskianじゃない主役。
火星人がもし我々と同じ普遍文法を持ち得ないとしたならば我々は彼らの言語を習得することはできず、物理法則のように辛抱強く学ぶしかない
って、チョムスキーが言ってた。
この映画はチョムスキーのこの考えをベースに置きつつも、物語のプロット的にその真逆（サピアウォーフ）も取らなければならなかった。
ここが腕の見せ所なわけだが、まあ上手いことできてた。
専門的見地からいえば物足りない部分もあるわけだが、この映画はその物足りなさを補って余りあるほど魅力的だった。
話が進むにつれてどんどん左胸が痛くなる感じ。謎を残しながら幕を下ろす感じ。宇宙人の生態を明かさない感じ。
鑑賞した側に思考の隙を与えながらヒントをバンバン与える感じ。
すごくいい映画だった。
ノーランが好きな人は好きだろうね。
