いずみたつや

メッセージのいずみたつやのネタバレレビュー・内容・結末

メッセージ(2016年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

遠未来へのロマンに憧憬の念を抱かずにはいられませんが、結局は"今"をどう生きるかということに立ち返ってくるのが面白いです。

ただ、ドゥニ・ヴィルヌーヴの作品はどれも好きですが、今回はいまひとつ乗れませんでした。僕はドゥニさんの演出する"不穏な感じ"が大好きなんですが、今回そこがなかったのがツラかったです。

僕は先に原作を読んだのですが、原作の面白さは、別の時間軸の話を並行して描くことで、現在・過去・未来のどこをメインにした話なのか混乱してくる点(つまりあの宇宙人たちと同じ感覚を体験できる)だと思います。

一方、映画ではメインの時間軸がはっきりしていて、その上でフラッシュバックに見えていたのが実はフラッシュフォワードでした、というオチがつくのですが、これは主軸がはっきりしていて分かり易すぎるため、原作のような体験には至りませんでした(先に原作を読んだせいというのもあるとは思います)。

で、ここからは余談ですが、これによってまたしても非常に不安になったのが『ブレードランナー2049』なわけです。もともと『ブレードランナー』はその後のSF映画のルックをガラリと変えてしまった超革命的作品なので、続編にもそれを期待したいところですが、予告編を見る限り(映像に関しては)焼き増し感が満載でした…。

しかし、悪いことばかりではなく、今作も音楽を担当したヨハン・ヨハンソンの仕事ぶりが最高だったので、『ブレードランナー2049』は少なくとも音楽が最高なのは保証されました!良かった!