法月

メッセージの法月のネタバレレビュー・内容・結末

メッセージ(2016年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

個人的に今、一番注目している監督、ドゥニ・ヴィルヌーヴの新作、しかもSFとあって、大いに期待しての鑑賞。

期待に違わず、素晴らしかった。
「灼熱の魂」が本格ミステリーでありながら濃厚なヒューマンドラマであったのと同じく、本格SFでありながら濃厚なヒューマンドラマ。
こんな作品を作れる人、なかなかいない。

異星人とのファースト・コンタクトも、時間という概念の新たな捉え方も、SFにおける重要なテーマ。二つの大きな大きな問題を同時に描きつつ、最後には「あなたの人生の物語」、ごく私的なエモーショナルなお話へと帰結させる荒業。凄ぇなぁ(>_<).......

宇宙船?のデザインも、エイリアンのデザインも、一見「えっこんなんでいいの!?」的でありながら、二周、三周回ってスゴイみたいな、いや、やっぱなんも考えんとパッと出したんかい?みたいな.......もぅ、よぅわからんけどとにかく凄いです!

「ブレードランナー」の新作、ますます楽しみになりましたよ。



えー、ここから蛇足です。
この映画観て、数十年前に読んだ大好きなSF小説を思いだしちゃったんで、ちょっと書かせてもらいます。
梶尾 真治・作「地球はプレイン・ヨーグルト 」
地球上にUFOが墜落。中にはタコ型の宇宙人が.......
そして彼らは、味覚によって会話をしていることが判明。
触手のようなものの先から体液を出し、また相手の体液を味わい、意思疎通を図ってるんですね。単純に言うと、怒ってるときには激辛な味を、優しい気分の時は甘い味を、ってな具合で。
で、政府はこの宇宙人からUFOの謎の動力源を聞きだそうと、超有名な美食家のじいさん、「美味しんぼ」の海原雄山みたいなのと、どんな料理でも再現して作ってしまう天才料理人を呼んできて、なんとか会話を試みるわけです。で、地球を示す単語(味)がプレイン・ヨーグルト。

そして肝心のUFOの動力源を聞きだそうとすると、それは、
「これは、かつてわしがジャングルの奥地に住む食人族の村を訪れた時にごちそうしてもらった人間の掌のステーキの味じゃ!」
なんて雄山じいさんが言いだすもんだからさぁどうしよう(;゚Д゚)ってお話。
まぁ、どたばたコメディSFなんですけどね、アイディアは今考えても秀逸だと思います。そして「メッセージ」とは真逆な超ブラックなオチが待っております(^-^;........

すいません、懐かしくって、つい長々と書いてしまいました。
ご参考までに........
法月

法月