Ryoko

メッセージのRyokoのネタバレレビュー・内容・結末

メッセージ(2016年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

インターステラーを見たときのように、新しい思考の境地に到達したような稲妻感を期待していたけれど、初見ではそこまで衝撃はなかった。
時間という概念が無い言語、それを操る地球外生命体(アボッド、コステロって良い名前)へのイメージがふわふわしたまま終わってしまった感じ。
斬新な設定だけどいまいち腹に落ちない感じ。しかし皆さんのレビューを読んでいろいろ納得できました。
言語を獲得することは、その言語の価値観、思考を獲得することである。
ルイーズが彼らから得たものは、時間の概念が無い言語であり、その結果、彼女のなかで過去、現在、未来は一方向で流れるものでなくなってしまった。それでも運命を受け入れ、見えてしまったその後の人生を生きていくと決めた彼女の決断がこの映画の肝なのだとは思う。自分はその肝にあまり揺さぶられなかったので、いまいちハマらなかったのかなとも思う。

いくつか疑問も残る。
アボッドたちの目的は、武器(言語)を提供すること、その結果、人類を一つの言語でまとめ、将来自分たちを助けてもらえるようにすること。
ルイーズがアボッドたちの言語に関する本を出版したということは、結果、人類に彼らの言語が広まり、皆未来が見通せるようになってしまうということなのだろうか?
少なくとも夫になったジェレミー・レナーにはわかっていた?娘が「パパが変なことを言う」というシーンがあるので。

神秘的な映画ではあった。
空中に静かに立たずむshellと言われる飛行体、あの宇宙人たちの操る墨で書いたような円形の言語、美しく神秘的だった。
あと、理系のジェレミー・レナーが素敵。
Ryoko

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