February 2nd
Denis Villeneuve監督作品。
やられたやられた。SF作品と言っていいと思いますが、SF作品の真髄を追求したような作品でした。
みる前の予想としては、あの物体のなんの解決もせずに、なんか哲学的な感じで終わるんかなと思ってました。まぁ、解決したかというと、はっきりは言えませんが、サスペンスミステリーのような謎解き要素もあり、楽しめました。
まず驚いたのは、Inciting Incidentの早さ。あんまりLouiseの人格的な説明もほとんどなく、Arrival。そこから、ズブズブと引き込まれていきました。主人公に謎めいたところがあり、それに対して、Ianはいい人満載の人柄。Louiseのその謎めいたところを紐解いていくストーリーラインと、あの物体が何者なのか、何を伝えに地球にやってきたのかを解明していくストーリーラインが並行して進んでいく。それが、多くの点で相互作用しているから、混乱することなく見れる。
Louiseのプロットはかなり難解で、簡単に映像化しようとすることはかなり危険だと思うが、先ほど述べたもう一つのストーリーラインと関連させることに加えて、撮影やカラーコレクションが理解の助けをしてくれた。Color Temperatureを明確に3つに分け、赤、白、青と温かみを変えることで、Louiseの心情、時間軸を表現していた。さらに、180 degree Ruleを大胆に破ることで、Louiseの現実と夢とを視聴者に伝えていた。そこまで、テクニカルに伝えていたわけではないが、あら？なんかおかしい？なにこの色？このショット？このカット？となることで、視聴者の注意を引き付けている。視聴者はストーリーラインを考え、その時間を、VFXで作られた神秘的な空間が埋めてくれているから、苦にならない。さらに、音響もスムーズかつ大胆で、同じ役割を担っていた。
Villeneuve監督はこういう作品が向いてると思うね。"Blade Runner 2049"も監督しているし、批判だらけだけど、楽しみにしとこう。
