ゆらしな

メッセージのゆらしなのネタバレレビュー・内容・結末

メッセージ(2016年製作の映画)
1.5

このレビューはネタバレを含みます

間違って削除してしまったので書き直しました。

気持ち的には1点ですが、なんとなく雰囲気は出てたような気がするので0.5点足しときました。とにかく、全然合いませんでした個人的に。

原作小説を読めばわかるのかもしれませんが、全体のお話が不可解で全然飲み込めたもんじゃありませんでした。画面もずーっと暗いですし、逆光で表情を隠したり顔に反射光をぶつけて表情隠すシーンが多すぎたり、見辛いと感じるシーンが多かったのも低評価に一役買っているのかもしれません。ブルーレイで観た私が悪いのでしょう。一回観ただけで理解しきれてない部分が多いのかも知れません。それにしても個人的に全然好きじゃない映画です。申し訳ないです。

まず、序盤から娘との思い出フラッシュバックが入ってきます。これは物語の後半で、「時間概念が違う生命体の言語を習得することで思考体系が変化し、過去も未来も同列に把握可能になる」というような感じの説明がつきます。つまり、フラッシュバックしているのは過去ではなく、未来な訳です。それがこの映画のいわゆるどんでん返し的伏線回収のオチなんですが、ここがまず意味不明です。言語を理解すると未来予知できるってどういうことですかね。思考体系って超能力かなんかですかね。それともあくまで、白い部屋にご招待された時に付与された能力ですかね。それとも、観客も起こることの時系列とか無視するのが、崇高な高次元な鑑賞態度だとでも言いたいんですかね。…その辺は100歩譲って、そういうもんだとしても。
映画の序盤から割とはっきりと、娘との思い出やら死の場面を予知してましたが、初めから超能力者なんですかね。宇宙人の言語学ぶ前ですけど、見えちゃって大丈夫ですかね。正直言って、観客にミスリードさせるための仕掛け以上の意味がないシーンだと思うんですけれども。しかも夫とは別れてまーすって説明が入りますけど、それって夫をフラッシュバックに登場させるとネタがバレるからですよね。だから離婚したことにするって都合よすぎませんか。そんでラスト付近になって告白されてくっついた後で、フラッシュバック中に晴れて登場してイチャイチャされたところで、「いやいや、どうせあんたら娘のことで口論になって別れますから」としか思えないんですよね。
未来を知ってしまうと知っていること自体が未来に影響を及ぼすんじゃないのか、とかも気になりますけど中国人との未来のやりとりでは未来知ってるの前提ですし、少しは大目に考えてます。というか、「もし未来を知っていても、キミと歩んだ道をもう一度歩むんだぜ…」みたいな話だ思うんですが、それはまぁ感動する人はするんじゃないですかね。
また、その中国人の将軍とのやりとりもバカみたいに思ってしまいました。「急にアメリカ人の女性から電話があったんだよ!そしたら何故か私の妻の最期の言葉を知っててビックリしてしまったんだー!曰く、攻撃は良くないということらしいから、ここまできて申し訳ないけど攻撃中止!!」って言ったんですかね、部下に。戦場で真っ先に撃ち殺されそうな上官ですね。「妻の最期の言葉」は無音演出で観客にはナイショなんですけど、そこは単に気になるから教えてくれよ、とも思いました。カッコイイと思ったんでしょうね、無音にしたら。

それから宇宙人の目的、さっぱりわからんです。「人間には3000年後に世話になるからそれまで生きてて貰わんと困るんや。そこで今回、皆さんに言葉という武器が持つ力を再認識していただきたい。みんな仲良くな。」って言うために来たんじゃないですよね。もっと大事な用事があったんですよね。目的なんなんでしょうか?主人公が家族と過ごす時間を充実させに来たんですかね。世界平和のためですかね。これセカイ系みたいな話なんですかね。あんだけ大げさに登場しておいて、「コミュニケーション大事やねんで」って事を遠回しに変なイカスミで解りづらく伝えた後、急に文字通り消滅って、どんだけ高尚な存在なんですかね。

宇宙人の言語、時間感覚も始まりも終わりも前も後ろもないというのはいいです。それでイカタコみたいな形してるっていうのも、(「見ればわかる…」って引っ張った割にはっきりイカタコかよと思いましたが)まぁこの際どうでもいいです。でもそんな、もはや次元も違う生命体の言語を、一ヶ月ちょいくらいで理解できるってどういうことなんですかね。コミュニケーションとかいうレベルを超えた話だと思いますけど。というかタコ野郎はせめて英語くらい勉強してから来いよと。

ご都合主義が、観客の裏をかくためだけに羅列されたように感じてしまいました。別に重箱の隅をつついているつもりはないですが、こういう粗が悪目立ちして、説明することも放棄してカッコだけつけてる映画は、個人的には好きになれません。自分の心の狭さを痛感いたしております。