yum02

メッセージのyum02のネタバレレビュー・内容・結末

メッセージ(2016年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

「前後がない」「非線形」「時間の概念がない」

最初から伏線がはられていて、そしてこの映画自体がそれを体現している

正直 彼らの言語を理解することで彼らの時間の概念を理解できる因果が捉えきれなかったが、映画自体の構造が彼らの時間の概念を体感させてくれるものになっていてストーリーの構成として完璧すぎる

(以下ネタバレ含む感想)

物語の出だしに娘を病で失う描写がありそれはルイーズがこの物語が始まるまでに起こったことなのかと思っていた

が、話が進むにつれ違和感に気づく

「この子は誰?」とヘクタポットに問うルイーズ。そこで全てを理解する。これまで私たちがルイーズの過去だと思って見てきた娘との時間はこれから先の未来に起こることであることに。

娘が病で死んでしまうことを知っていながら、イアンと子をなし育てる。尋常ではないその覚悟に感銘を受ける面もあり、怒って離れていったイアンの気持ちも理解できる。多くが語られない中で感情やストーリーを強く刻んでいく。

ルイーズがフラッシュバックする記憶の時間軸がバラバラで、それこそがヘクタポットたちの時間の捉え方であり、それを映画の画面で表現しているために私たちもルイーズと一緒にヘクタポットたちの時間の概念を体感できる。この構成を映像作品として成し遂げたことを賞賛したい。
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