ニシカ

アントマン&ワスプのニシカのレビュー・感想・評価

アントマン&ワスプ(2018年製作の映画)
3.8
ヒーロー大集合物を観たあとで単体ヒーロー物は満足出来るかな?の心配は杞憂であった。

IWは宇宙の別惑星までもが舞台のスペースオペラ状態ですが、A&Wはサンフランシスコが舞台の宇宙に飛び出さなければ、国も超えないスケール感。ある意味ローカルヒーロー物です。これが十分に戦いのフィールドとしても広く感じさせ、カーアクションまで持ち出して疾走感もありの大変巧い作りとなっている。

ちょっと頼りない中年スコットとミスパーフェクトなヒロインのホープが、透明になる敵ゴーストと略奪を狙う武器ディーラーとのサイズを自由に変えれる装置を巡り争う中、FBIまでも地味に絡んでくるドタバタ型ストーリー。

でも、これがしっかりエンタメしている。
日常空間を舞台にしたアクションでもその特殊能力を活かした見応えある戦いが繰り広げられており、今回の敵は若いねーちゃんだし、武器ディーラーなんかオールドスタイルのキャラ感だし、なんならタイムボカン風味の警備会社“エックス・コン・セキュリティ”のカート&デイブまでセコビッチと団十郎ばりのキャラ出し具合と観ていて飽きない登場人物達が入れ替わり立ち替わりカットインしてくるワッチャワッチャ感も良い。

キッズなキャシーちゃんとの微笑ましいやり取り、頭の中はホープとの妄想、伏線回収まである自白剤、デカい蟻ちゃん達の敵身的な働きも思わず笑みが零れるチューニング具合ときている。そして老いも中年もキスシーン有りのデートムービーな配慮まであり。硬くはならないが大っきくなるわ小っこくなるわと忙しくストーリーは進み、合間合間に笑み零れるシーンを挟み込んで中年おっさんが主人公でも中折れも無くビンビンにストーリーを走らせている。

う〜ん、良い出来です。


※30年間量子空間にいたホープの母ジャネットですが、そのバッチリメイクや食事やトイレや寝る所はどうしたのなんて言いっこ無しよ。スコットの頭に意識が飛んでくる時点ですべてを受け入れて楽しみましょう。まぁ、そんなことを気にする方はアベンジャーズ系観ないか(笑


ネタバレ⇩
これから本作を観る予定の方はSTOP!





















エンディングのワンシーンでわかることは、スコットが量子空間へ突入したタイミングでヒム博士とホープはサノスのインフィニティストーンによって塵となったということ。
(これはIW観てないとわからないですよね)
ここで時間軸を繋げてくるわけだ。IWにいなかったのはFBIによる自宅軟禁中であった為と、インフィニティストーンのタイミングで量子空間にいたことで、Dr.ストレンジが見た未来にアントマンがいるとの認識を想像で補完することが本作のメッセージと受け止めていてOK?

そりゃ次作を観るの決定になりますわいな。
ニシカ

ニシカ