そもそも前作からしてトンデモ設定を押し通す作品ではあったが、それでも一応のルールとして説明もあった「質量」についての前作の設定を本作が一切無視しているのには少し、戸惑った。(前作も徹底して守られていた訳では無いが。)
全編を通してユーモアに溢れ、ヒーロー映画でありながらケイパーものとしてのスリルや面白さもあった前作に比べると本作はコミカルな造りである事は同様だが、ややギミックも少な目にアクション一辺倒な所がある。ただ、やっぱりペイトン・リードは状況に合わせたアクションの撮り方が超上手いのでそれだけでも見入ってしまう。
本作で何よりも良かったのが、今回のヴィランの扱い方である。前作は自業自得とはいえ、イエロージャケットの最期は悲惨で作品に嫌な陰を感じたものだったが、本作はそういった陰も落とさず、まさに「めでたし」といえる着地と仕方で良かった。(あくまで本編の話)この部分から、全体的には多少まとまりに欠ける造りではあるが個人的には前作並みに楽しめた。
アントマンが間違いなくMCUの中に居るという事を感じる一方で、物凄く鳥肌が立つ展開が物語終了後に待ち受けているのだが、こういう事をサラリとやってしまう所がMCUの恐ろしい所だと改めて思う。
