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アントマン&ワスプのRのネタバレレビュー・内容・結末

アントマン&ワスプ(2018年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

映画館で。

2018年公開のマーベル映画。

監督は「イエスマン "YES"は人生のパスワード」のペイトン・リード。

あらすじ

「ソコヴィア協定」に反発するキャプテン・アメリカに加担してとして自宅軟禁を余儀なくされていたアントマンこと、スコット・ラング(ポール・ラッド「ミュート」)。ある日、前作で訪れた「量子の世界」を訪れる夢を見たラングはその中でアントマンの製作者ハンク・ピム博士(マイケル・ダグラス「アンロック/陰謀のコード」)の妻であり、ホープ(エヴァンジェリン・リリー「リトルデビル」)の母親であもあるジャネット(ミシェル・ファイファー「オリエント急行殺人事件」)からのメッセージを受け取る。

映画館で。

本当はまだ見る気がなかったんだけど、金ローで一作目がやっていたことと、予定が合ったので鑑賞しました!

ぶっちゃけレビュー的な部分でいうとまだ「MCU」では19作目である「インフィニティ・ウォー」のレビューが未だに書きあがってないので、どうしようかなと思ったのですが、前作同様楽しかったので書きたいと思います。

まず、「インフィニティ・ウォー」を観た人ならわかると思いますが、ほとんどのヒーローが参加する中、前作でいなかったキャラが2人います。

それが、ホークアイと今作のアントマン。

ホークアイは演じるジェレミー・レナーのスケジュールが合わなかったのかな?(次作には登場する??)と思ったんだけど、アントマンは言うても出たばっかだし、特性的にも人気的にも出した方が良かったのでは?と思っていたら、なるほど、「シビル・ウォー」の件で軟禁されてたのか。

ということはサノスの「あの件」はどう絡むのか気になるところだが…。

軟禁というと、なかなか身動き取れない厳しい環境下でっていうイメージがあったが、始まって早々、スコットと愛娘キャシー(アビー・ライダー・フォートソン)が仲睦まじく遊んでる姿にほっこり。

てか、家庭における迷路ごっこの域超えてるな、おい笑!!

なるほど、FBIのナイスなお目付役(品川庄司の品川さんに感じが似てる)といい、これは、「ある日」に至る前の出来事なんだなと気付く。

ならば、問題はサノスの「あの件」がどこで起こるかだが…。

話は戻って、スコットが量子の世界で生き別れたピム博士の妻でホープのお母さんでもあるジャネットのメッセージをキャッチしたことから物語が動き出す。

今作からはタイトルにもある通り、ホープが遂にワスプとしてデビュー!!その名の通り、蜂感は…というと若干薄い気がするが笑、羽が生えている分、よりアクロバティックな動きと女性ならではの流麗な動きが美しく、序盤ではデビュー戦でホテル内部で悪党相手に大活躍を見せてくれる!!

けど、ワスプのデビュー含め、戦闘シーンはもちろん最高水準レベルで楽しめたんだけど、正直それよりも今作のというか「アントマン」自体の根幹でもある「コメディ色」がより強まったのが、今作の特色ではないだろうか。

今作では主なヴィランとして登場するのがゴーストと呼ばれる、実験の後遺症で「すり抜け」能力を持ってしまった女性エイヴァ(ハナ・ジョン=カーメン「レディプレイヤー1」)なんだけど、確かに能力といい、格闘スキルといい強いは強いんだけど、その同情すべきバックボーンといい、初戦からそこまで苦戦する状況じゃなくて、なんつーか悪い意味じゃない「小物」ヴィラン。

他にも武器ディーラー役で「ヘイトフル・エイト」の記憶も新しいウォルトン・ゴギンズが出てるんだけど、こちらも登場こそ食えない感じ満々なんだけど、最終的にはコメディリリーフ。

おまけにピム博士の古い友人ながら、ゴーストの育ての親として影で協力するビル役で悪役顔のローレンス・フィッシュバーン(
30年後の同窓会」)まで出てるんだけど、こちらもアントマンのペースに乗せられちゃったり、ゴーストを元の状態に戻そうとしての協力だったりと行動こそ間違ってはいるけど、基本は超善人。

つまり、今作サノス級とは言わないまでも完全なる悪役が1人も出てこないのだ。

しかも、話自体もジャネットを元の世界に帰すための研究施設(予告でもあるピム粒子で小さくしたもの)を取られたり取り返したりのドタバタ劇なので、かなり小規模な話。だから「インフィニティ・ウォー」後の1作としてみると、その名の通りかなりミニマム。

じゃあ、どこが面白いって、やっぱコメディの部分なんだよな。

前作での1番おいしいキャラ、ルイス(マイケル・ペーニャ「ホースソルジャー」)の脱線しまくりの長話シーンでは前述の武器ディーラー、バーチも巻き込んで今作でも爆笑必至だし、スコットが拘束される場面でビルやゴーストに尋問される場面で娘から電話かかってきて、そこでまったく関係ない「靴どこ?」話が繰り広げられちゃうしでシリアスシーンになりそうになっても、その中でコメディ要素をぶち込んでくる。漫画「バクマン。」における「シリアスな笑い」じゃないけど「シリアスな中における笑い」が随所に展開されて、今作の根幹はヒーロー映画であると共に「コメディ映画」であることに気付かされる。

「インフィニティ・ウォー」の「あの一件」がある分、それを体験した観客にとっては否が応でも構えるわけで、そんな中、シリアスにも笑いを取り込んだこの作りは、観る人皆ものすごくいい意味で「ほっこり」したんじゃないだろうか。

もちろん、ただ笑えるだけでなくピム粒子における視覚効果も抜群で、前述の研究施設然り、今作では終盤でミニカーを取っ替え引っ替え大きくしたカーアクションがあったり、「シビル・ウォー」でも登場したアントマンの「ジャイアントマン」化も見られて、それだけで楽しい。

同情すべきゴーストや武器ディーラー、バーチとの決着もコメディ映画らしく誰も「人死」が出ない、「マーベル作品」としては結構異例なハッピーエンドなのも良い。

ただ、ただよ、サノスのあの一件は起こるわけで、このままチャンチャンで終わるかと思いきや…ここでかよ…。

しかも、ジャネットの件があった分、スコットが取り残された環境の過酷さ、そして周りが全員消えちゃったことも加えると、全編コメディ要素が溢れていたこともあって一気に絶望感に苛まれるラストが半端ない。

ラストの影武者になっていた分仕上がっているアリちゃんのドラムテクでオチがつくけど、それよりも周り誰もいない世界で鳴り響くドラムの虚しさが際立つ。

「インフィニティ・ウォー」とはまた異なる絶望感だわ、これは。

さぁさぁ、ある意味対極にいたアントマンでさえ、こうなっちゃったわけで、否が応でも次作の展開が期待できるMCU。

次作は、遂に「キャプテン・マーベル」なわけでまた過去に話は戻るらしいけど、打倒サノスのためのキーとなるのか、どうなる!?世界!!
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