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アントマン&ワスプのペジオのレビュー・感想・評価

アントマン&ワスプ(2018年製作の映画)
4.4
「量子」と書いて「まほう」と読んでも差し支えないくらいなんでもアリ

相当面白いわコレ
クライマックスはいろんな楽しい事がいっぱい起こりまくって「マンガやないか!」ってなった(マンガだった…。)

MCUに関しては勿論繋がりを意識してしまうところもあるけれど、まずは「単体」の作品として観るように努めている
そこかしこで「他を観てないと分からない」であろう箇所も散見するっちゃするが、そこはそれ「洋画観るならキリスト教の知識があった方がいい」みたいなリテラシーぐらいの感覚

あくまで「アントマン」の二作目としてだけ観た

「ケイパー」要素を盛り込んだ前作の犯罪映画路線を引き継いでいるのは間違いなく、「マクガフィン」を巡る争奪戦(「研究ラボ」がマクガフィンとなったのも映画史上初めてだろうが)を描いた本作は、マクガフィンの行方を追う展開に「焦点」を合わせて、前作の「小さくなったら世の中こう見える」ワクワク感よりも、「小さくなったり大きくなったりを眺める」楽しさを優先したようだ
その「客観視」の結果、「スラップスティックコメディ」感が強めになっている訳で(つまりディズニーのお家芸である)、このジャンルは個人的には爆笑するとかじゃないんだけど、観てるだけで笑顔になってしまう楽しさがホント好き(「君は15歳か?」「アントニオー!」とか特に好きだったかな。ああ、あと勿論「自白剤」のくだりはサイコー。主役以上にこのシリーズの顔になっているマイケル・ペーニャのボケ倒しキャラはもはや破壊的。)
ヴィランの事情もある程度共感が出来る様に描いているのも、マクガフィンを取り巻く勢力全てを等価値に置くような「群像劇」要素の為だろう

前作でも思ったのだが、そんな軽めのテイストでありながら「見たことの無い世界」を見せる「SF」としても手は抜いていないところが素晴らしいなあって
カーチェイスのシーンでは「インセプション」、母親がスコットにアンテナ張るシーンでは「インターステラー」(量子世界のシーンは言わずもがな「ミクロの決死圏」)を思い出したのだが、それらをより客を楽しませる「娯楽」の方向性で描こうとする気取りの無さは見習って欲しいと思った(誰に?言うまでもないか…。)

MCUは名の有る役者を全員その世界に取り込もうとする勢いだが、その中に入るとは…ウォルトン・ゴギンズは完全に売れたな
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