スコセッシフォールド全開

リメンバー・ミーのスコセッシフォールド全開のレビュー・感想・評価

リメンバー・ミー(2017年製作の映画)
4.8
切り絵を使ったオープニングから見事。
写真が飾られていなければ死者の国から出られない?あんまりだ、と思っていたけどその謎の掟が涙を誘う上手い作り。中盤のとある展開で、普通にミスリードに引っかかる自分。その衝撃が上乗せされ、感情移入レベルMAX。
なぜヘクターが家から出ていったのか。本人は濁し最後まで不明。ただ結果お互いが愛し合っていたことを確認し合えてよかった。
誰からも忘れ去られる“最後の死”すなわち魂の死。認知症のママ・ココの潜在意識に語りかけるように歌う『リメンバー・ミー』。デラクルスverは初見の時から好きではなかったけどミゲルverは泣けた。何世代にもわたる音楽禁止家庭。それはママ・ココへの配慮だったと納得。さすがに厳しすぎるし、暴力も容認できない。あなたたちは音楽を好きになったことはないのか?と思ったが、周りがギター破壊を静止しようとするシーンやラストのパーティーシーンを見る限り仕方なく我慢していた感じがする。全ては高祖母のためか。これも家族愛。

世間がヘクターを評価しだしたのはなぜか。冥界に行った子供の話を信じたわけではあるまい。そこの無理矢理感は否めない。