マーチ

リメンバー・ミーのマーチのレビュー・感想・評価

リメンバー・ミー(2017年製作の映画)
3.8
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【レビュー🎸】

《そうだ 死者の国、行こう。》

アニー賞やゴールデングローブ賞など、昨年の映画賞のアニメ部門を席巻し、第90回アカデミー賞では長編アニメ映画賞と主題歌賞の2部門を受賞した今作。

メキシコの祝祭である“死者の日”を題材に、ピクサーお得意のカラフルな世界観で彩られた今作は日本のお盆にも通ずる精神性を秘めていることで日本人も大変共感できる内容になっており、邦題にもなっている「リメンバー・ミー」という楽曲が繋ぐ家族の絆に途轍もなく感動させられます!

案の定、私も号泣しました😭 笑 久しぶりに喉まで涙が伝うほどの大号泣だったんですが、この作品は安直な計算の下に作り上げられた感動ポルノ的作品などでは一切無く、緻密な脚本とメキシコ🇲🇽文化への多大なるリスペクトが生み出した秀逸な作品となっています。

よくあるじゃないですか、アニメ観てて「どういう理論でこういう展開になったんだよ!」とか「いくら何でも飛躍しすぎだろ」とか感じること。でもそういった引っ掛かりを感じたとしても〈アニメだから〉という理由で多少ファンタジックな演出も許容範囲内に収まる訳で、それはそれでいいしそれが面白さでもあるので許せるものがほとんどなのですが、許せないものも多々ある。そしてそれは大抵の場合脚本への不満に繋がる訳なのですが、今作はそういったアニメ的不自然さを感じるところが一切無く、「どうせ子ども向けに作られた作品だろう」と高を括って脚本の粗を探しながら観ていた(←趣味悪い!笑)、私の襟を正してくれました。笑 寧ろ「第二の死」や「死者の国」といったオリジナルの概念が脚本自体の面白さを引き上げており、作品に厚みをもたらしていたほどでした。本当に緻密でハートフルないい脚本です!!

また、メキシコの文化を扱う上でのリスペクトがビンビンに伝わってくるような、隅々まで行き届いた意味のある演出や設定も実に素晴らしいものでした! ショロ犬だったり、死者の国の建築物だったりがその例なのですが、詳しくはそういったことに関してギッチリ書かれているパンフレットを参照して下さい。笑 余談ですが、パンフはツルツルの紙を使っているのに標準的な価格でそこそこ価値のある代物でしたよ(´・∀・`)ノ
メキシコ🇲🇽の人だと「あれはあれで、それはそれだ」と一々興奮する要素が詰まっていて、製作側の考証やリサーチもしっかり行き届いているらしいです。ある国の文化を丸ごと題材として扱う上で妥協せずにリサーチを重ねてリスペクトを捧げる姿勢は素晴らしいですね👍 さすがピクサーです!

死生観や先祖への敬意の表し方が日本とメキシコでは似ているということもあり、個人的に自分の過去と重なる部分がいくつかあったので、実は前半だけでも結構感動していたんです😂
というのも、始まって直ぐにミゲルがひいおばあちゃん👵に語りかけるシーンがあるんですけど、あれが幼少期の自分そのものだったんですよ!笑 ひいおばあちゃんは何も答えないし、聞こえているかも定かではなかったんですけど、それでも語りかけているだけで楽しいみたいな…まさにミゲルと過去の自分がピッタリ一致した瞬間だったので、ノスタルジックな潜在意識が呼び起こされて冒頭から既に泣きそうでした… 笑

壮観な美術的アプローチ、マリーゴールドの花びらを基調として細かいところにまで気を配って精巧に作り上げられたどこを切り取っても美しい画の数々、ラテンの要素を取り込み世界観を壊さぬように尽力したマイケル・ジアッチーノの印象的な劇伴、怖いはずのガイコツ💀をチャーミングに見せるピクサーの卓越した手法、原題である『Coco』に込められた感動の真実、(劇中で流れる度にその意味合いの深さを増し)家族の絆を繋ぐ名曲「リメンバー・ミー」に託されたメッセージ、家族というものの根幹に迫る奥深いストーリーなどなど、この作品を構成している様々な要素がどれも絶妙なバランスで絡み合い、且つ支え合っていて秀逸。

子どもは勿論のこと、大人も涙し、楽しめる、
ピクサーの新たな代表作の誕生です🎉!!

この映画の対象年齢は、0歳〜100歳だ!!!


【p.s.🐕】

例によって近くの劇場では吹替しかやっていなかったので吹替で観たのですが、藤木直人さんはそのまんまだったのでめちゃくちゃ彼だと分かりやすかったです。笑 松雪泰子さんはナチュラルでピッタリ役にハマっていて素晴らしかったですし、歌唱シーンは声に伸びがあって非常にミュージカル映えしていました♪
それにしても吹替だと劇中の文字まで日本語になってしまうんですね。世界観ぶち壊してるとしか思えないんですけど、恐らくお子さんへの配慮でしょう。

また、ピクサー作品を劇場で観るのは『トイ・ストーリー3』か『カールじいさんの空飛ぶ家』以来だったのですが、たまには劇場で観ないとダメですね〜、最近は過去作の続編が続いていたので観る気がしなかったのですが、後々観てみたら安定して面白かったりしますからね。

ピクサーの次回作は『インクレディブル・ファミリー』で、あの傑作『Mr.インクレディブル』の続編です! 今作と通ずる家族の物語ですし、『トイ・ストーリー』シリーズを除いて続編作品の評価が芳しくないピクサーが汚名返上する作品となるのか注目されます。


【映画情報💀】
上映時間:105分
2017年/アメリカ🇺🇸
(短編『アナと雪の女王/家族の思い出』との併映)
監督:リー・アンクリッチ
監督・脚本:エイドリアン・モリーナ
製作総指揮:ジョン・ラセター
音楽:マイケル・ジアッチーノ
出演(声):アンソニー・ゴンザレス
ガエル・ガルシア・ベルナル
アラナ・ユーバック
ベンジャミン・ブラット
レニー・ヴィクター
アナ・オフェリア・ムルギア 他
概要:1年に1度だけ他界した家族と再会で
きるとされる祝祭をテーマにした、
ディズニー/ピクサーによる長編アニ
メ作品。死者の国に足を踏み入れた
少年ミゲルが、笑いと感動の大冒険
を繰り広げる。

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