Kei

リメンバー・ミーのKeiのレビュー・感想・評価

リメンバー・ミー(2017年製作の映画)
5.0
『ピクサー史上歴代1位は過言でもない』

生と死をテーマとして、その中でも音楽に焦点を当てたお話。
時代の跨いでのお話でもある。

死者の国や、生死の狭間の世界の映画はこれまで何本と描かれてきた。今回は完全なオリジナルではあるが、メキシコの死者の日が主な舞台。日本ではお盆に当たる。
007スペクターの冒頭にも出てくるあのお祭りだ。

今回はピクサー史上最も製作期間が費やされている(2011〜2017)。
それだけ、事前調査と設定、ストーリー、作画などを追い込んでいるだけあって、死者の世界の描写には圧倒される。特にピクサー作品では珍しいIMAX上映(IMAX想定では作られてはいない)もあるため、可能な方は是非IMAXで確認してほしい。

また意外かもしれないが、ピクサー初のミュージカル映画でもある。トイストーリーで知られる『君はともだち』など、名曲は生まれているが、ピクサーはミュージカル映画は作っていない。さらには、主人公が夢はミュージシャンという設定も斬新!

今回は何と言ってもCGのクォリティだろう。ピクサーは旧三部作のスターウォーズが制作されたルーカスフィルムのコンピューターグラフィック部門から生まれた会社で、appleのジョブズが買い取って独立した。その技術は初代フルCGアニメーションのトイストーリーから確実に作品ごとに進化している。

今回は特にココの顔のシワ、産毛、老人特有のヒゲ、それと死者の国での水の描写だろう。特に水に関してはすべてのCGの中でも一番難しく、ディズニー、ピクサーは共に水に関しては手書きのピノキオの時代からこだわっているが、今回はそこが特に素晴らしかった。もうCGとの区別はつかないと言っても過言ではないだろう。

大人から子供まで楽しめる作品をクォリティを保ったまま産み出すのは相当なことだ。特に今回は、大人に向けてのメッセージ性が強い。親はもちろん、大切な人と是非見て欲しい。

ちなみに今回はIMAX吹き替え、シネスコ字幕版を観た。上映形式でいえば、IMAXは良いのだが、もともとの作品がIMAX想定で作られていないため、死者の国のシーンが若干解像度が足りなくも感じた。音楽に関してはIMAXと今回は相性が良い。
日本では3D上映がないのが悲しいがパッケージ版の楽しみにしよう。
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