くわまんG

リメンバー・ミーのくわまんGのレビュー・感想・評価

リメンバー・ミー(2017年製作の映画)
4.0
“家族の素晴らしさ”を伝えるためだけに作られた、凄まじいクオリティの一本。

みどころ:
まさに老若男女問わない
死後世界の役割が完璧
家族の一員なら響く話
それ以外の人は切り捨て

あらすじ:
靴会社の息子として生まれたミゲルは、家族みんなに愛されて育ったが、少年になった彼が愛して止まない音楽は、家族みんなが忌避していた。原因は曾曾祖母ココの父がミュージシャンで、音楽のために家庭を捨てたからだという。
ミゲルにしたら迷惑でしかないしきたり。溢れる情熱を止められず、こっそり屋根裏部屋でギターの練習をしていたが…。

キッズには映像と音楽で魅せ、若者には良くできたストーリーで魅せ、年増以上には真っ直ぐなテーマで魅せ、全員まとめて笑顔で家に帰す。素晴らしい、ディズニーの妙技。

以下備忘録です!

今回もディズニーが一度で救うのは、主題の射程圏に居る人だけ。家族の温かみを知らない人がこの世にはたくさんいるわけだけれど、そこへ「ゼロから新たに家族を作ろう」と思わせるほどの力は備えてないように感じた。とは言え狙ったテーマのど真ん中をぶち抜いて、圏内の殆どを虜にするとはまさに離れ業。

次に、“リメンバーミー”という主題歌。一目惚れするほどでもないし、『アラジン』や『美女と野獣』のそれには及ばないかなぁと思われたが、作られた経緯で帳消しどころかお釣りが来た。

そしてバランス感覚はますます圧倒的。
「来世の存在を信じて疑わない人は常に救われている。逆もまた然り。」
こんなカルトをふんだんに盛り込みながら、ヤバい臭いはゼロ。紙一重のさじ加減が「いつでもどこでも誰とでもご機嫌になれる」を実現させているんだろうなぁ。俺はピクサーの画が苦手だけど、これはDVD買おう。