映像は細かいところまで行き届いていてキレイだし、音楽もイイ。ストーリーは、誤解を晴らしスッキリするまでのアレコレと、先祖を大切にしましょうということだろう。
子供たちへの教訓は2つ。ひとつは、人の成果を横取りして自分の手柄にするのは良くないよ（日本でもひと騒動あったアノ件を思い起こさせますね）。もうひとつは、亡くなったおじいちゃん、おばあちゃんを忘れてしまうと、あの世で消えてしまって可哀想だから、忘れないようにお墓参りしましょう。
前者の教訓はさておき、後者については、たまたま見ていたテレビ番組で同じような話を聞いた。歌手のさだまさしさんが、永六輔さんに「人は2度死ぬ。1度目は死んだとき、2度目は生きている人に忘れられたとき」と言われたといい、だから永さんが忘れられないよう、彼が作詞した曲を集めた『永縁』というアルバムをリリースした。
でも中には、自分が死んだら忘れて欲しいという人もいるだろう。それに、あの世なんてあるわけがないのだから、何故、先祖を忘れない（思い出す）ようにする必要があるのだろう、と思う子供がいてもおかしくない気がする。
本当の理由は、亡くなった先祖のためではなく、生きている自分のため。映画では主人公の少年が家族から禁止されていた好きな音楽をやりたいということがきっかけだったけれど、普遍的な意味では自分のルーツを知ることが、不安定な世の中で生き抜いていくために欠かせないからだろう。
先祖が立派な人なら誇りを持てるし、先祖が苦しい思いをしたのなら、今、自分が存在することに感謝し、しっかり生きていこうと思う。先祖を忘れないとか思い出すって、そういうことかな。
●物語（50％×3.5）：1.75
・子供も大人も大事な話ではないかと。
●演技、演出（30％×3.5）：1.05
・字幕で観たけど、声優さん達がよろしかったかな。
●画、音、音楽（20％×5.0）：1.00
・映像はキレイなうえ、ギターに爪の跡とか細かい。音楽も良い。
