カルダモン

リメンバー・ミーのカルダモンのレビュー・感想・評価

リメンバー・ミー(2017年製作の映画)
3.3
あまり肌に合わなかったな。先祖を尊ぶ行為を強要されているような気がして。
心に思うだけじゃダメなのかね。
写真がそんなに大事なんだろうか。

想いを形にすることは大切だということもわかるのだが、形のない想いへの眼差しがこの作品から感じることができず、一方向に先祖を敬い祀ることだけが正しき事のように描かれると反発したくなる。

死者の国の描写は面白かったが、生者に忘れられないと一生死ねない感じはある意味地獄のようで恐ろしい。また、いつ忘れてしまうか予測ができない為、常に死に怯えながら暮らすのだろうかと考えると、さっさと忘れてくれた方が本当の意味で成仏できるのでは、と思えて仕方ない。


イメルダの音楽禁止令は事のほかキツくて、自分がミゲルだったら完全にパンクスの道を歩んでいたなと同情。とはいってもこのミゲルにはほとんど魅力を感じず、もっぱら犬のダンテに心を持ってかれていた自分。

ダンテのアニメーションに対する愛の注ぎ方は一目瞭然で、ミゲルやヘクターが脇役かと思うぐらいに細やかな演出や豊かな表情。特典映像がダンテ一色だったことからもスタッフの思い入れがいかに強いか伺い知れる。