亘

二人の亘のレビュー・感想・評価

二人(2007年製作の映画)
3.5
【家族に何を残すか】
妻と息子と3人で幸せに暮らしていた男。彼の日常は、病により終わろうとしていた。診断結果の日彼は双子の弟と合流し身代わり作戦を実行する。

ある男の決断の日を描いた作品。結論から言ってしまえばこの10分間で全てが終わるわけではない。ただ男の決断の一部始終を描いただけで、男の人生がどうなるかはわからない。映画の2,3シークエンスだけ切り取ったような作品。それでも男の覚悟や揺れ動く心情が伝わってくる。1人2役を務めたベネディクト・カンバーバッチの演技も光る。

男はいつも通り妻の隣で目覚め妻に見送られて家を出る。しかし朝から彼の表情は浮かない。その後病院で診断結果を受けると涙を浮かべながら双子の兄弟と合流する。そして2人は服を入れ換え、兄弟は髭を剃り、入れ替わる。最初の男になりました兄弟は、そのまま男の自宅へと帰る。どう振る舞えばいいのか悩む男と、違和感を感じる妻。2人の距離感が微妙だったけど、最後に子供が抱きついてきたことで少し良い兆しが見えたような気がする。男としては、何よりも家族に“日常”を残したかったんだろう。

印象に残ったシーン:2人が入れ替わるシーン。入れ替わった兄弟が、帰宅するシーン。
亘