こぅ

ピアニストを撃てのこぅのレビュー・感想・評価

ピアニストを撃て(1960年製作の映画)
4.3
不定期F・T 特集①/?

「やはり【変態】じゃないと、面白い映画は撮れない‼︎」

タイトルから想像して、良い意味で裏切られたF・トリュ
フォー監督による、異色の【フィルム・ノワール】。


しがないカフェのピアノ弾き、シャルリ(シャルル・アズナ
ヴール)が兄、シコの事件に巻き込まれる…。


冒頭、悪人2人から逃げて弟の働くカフェに逃げ込んで隠れる
が、直ぐに見つかってまた逃亡〜
ん⁈普通ならカメラはそれを追う筈が、、
突然、ここぞとばかりに歌手が、「美乳と離乳は微妙な差〜」
ってインパクトある詩の【おっぱいソング⁈】を歌い始め
る。
何というシュール‼︎
併せて、主役はピアニストのシャルリだったのか〜という
明示も絶妙。

おっぱいと言えば、、
序盤、'60年作で、娼婦がベッドでおっぱいを露出するとは
思わなかった。

撮影監督は、【勝手にしやがれ】のラウル・クタールで、
所々、ハッとするショット、キレと間も絶妙で見どころ。

丸いスプリット・スクリーンや、主としてノワールであり
ながらジャンルも喜劇、悲劇、恋愛が入り混じった異色の
実験的趣向。

恋愛パートは、臆病なシャルリのウブな気持ち(心の声)
が楽しい。

この演出って、現代でも使われている演出で古さ
を全く感じ
させないのは凄い‼︎
回想の入り方とかもオシャレ。
犯罪パートは、誘拐なのにユルユルの緊張感無し。
悲劇のパート(夫婦のすれ違い)のみシリアス(衝撃的)
だった、、

出演女優が魅力的。

女好きフランソワ監督の 脚(ふくらはぎ)フェチ も炸裂‼︎


終盤〜シリアス(ウエット)な犯罪劇締めになる。それまで
の作風からするとアンバランス感は否めないが、コメディで
締めていたらノワールにはならず、評価もされていなかった
だろう。


*公開当時は、異色で不発⤵︎だったらしいが、今だからこそ
斬新(カルト作)として、評価されるのであろう。
好き嫌い分かれそう⁈だが、個人的にはヒット‼︎


*劇中、シャルリからエロール・ガーナーは素晴らしい!と
名前が出たので、大好きな名曲、名演を。

https://youtu.be/_vK25y50njY


*鑑賞後に知ったのが、本作は、W・アンダーソン監督が、
【フレンチ・ディスパッチ…別冊】で、参考にした33作品中
の1作。
こぅ

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