不定期F・T 特集①/?
「やはり【変態】じゃないと、面白い映画は撮れない‼︎」
タイトルから想像して、良い意味で裏切られたF・トリュ
フォー監督による、異色の【フィルム・ノワール】。
しがないカフェのピアノ弾き、シャルリ(シャルル・アズナ
ヴール)が兄、シコの事件に巻き込まれる…。
冒頭、悪人2人から逃げて弟の働くカフェに逃げ込んで隠れる
が、直ぐに見つかってまた逃亡〜
ん⁈普通ならカメラはそれを追う筈が、、
突然、ここぞとばかりに歌手が、「美乳と離乳は微妙な差〜」
ってインパクトある詩の【おっぱいソング⁈】を歌い始め
る。
何というシュール‼︎
併せて、主役はピアニストのシャルリだったのか〜という
明示も絶妙。
おっぱいと言えば、、
序盤、'60年作で、娼婦がベッドでおっぱいを露出するとは
思わなかった。
撮影監督は、【勝手にしやがれ】のラウル・クタールで、
所々、ハッとするショット、キレと間も絶妙で見どころ。
丸いスプリット・スクリーンや、主としてノワールであり
ながらジャンルも喜劇、悲劇、恋愛が入り混じった異色の
実験的趣向。
恋愛パートは、臆病なシャルリのウブな気持ち(心の声)
が楽しい。
↑
この演出って、現代でも使われている演出で古さ
を全く感じ
させないのは凄い‼︎
回想の入り方とかもオシャレ。
犯罪パートは、誘拐なのにユルユルの緊張感無し。
悲劇のパート(夫婦のすれ違い)のみシリアス(衝撃的)
だった、、
出演女優が魅力的。
↑
女好きフランソワ監督の 脚(ふくらはぎ)フェチ も炸裂‼︎
終盤〜シリアス(ウエット)な犯罪劇締めになる。それまで
の作風からするとアンバランス感は否めないが、コメディで
締めていたらノワールにはならず、評価もされていなかった
だろう。
*公開当時は、異色で不発⤵︎だったらしいが、今だからこそ
斬新(カルト作)として、評価されるのであろう。
好き嫌い分かれそう⁈だが、個人的にはヒット‼︎
*劇中、シャルリからエロール・ガーナーは素晴らしい!と
名前が出たので、大好きな名曲、名演を。
https://youtu.be/_vK25y50njY
*鑑賞後に知ったのが、本作は、W・アンダーソン監督が、
【フレンチ・ディスパッチ…別冊】で、参考にした33作品中
の1作。