あきしげ

ぼくのエリ 200歳の少女のあきしげのレビュー・感想・評価

ぼくのエリ 200歳の少女(2008年製作の映画)
3.0
小説の映画実写化。
原作者が自ら脚色。

ヴァンパイアを題材にした作品は、
数多くあって溢れかえっています。

その中で本作は特に異彩を放つ。
北欧スウェーデンを舞台にして、
美しくも残酷な小さな物語です。

オスカーはいじめられっ子。
父親は同性愛に目覚め離婚。
母親とは二人暮らしである。

そのオスカーは何もできず、
いじめっ子にされるがまま。

そんなオスカーは妄想の中で、
いじめっ子への復讐にふける。

そこへ一人の少女が現れる。
彼女の名前はエリと言って、
年齢は“だいたい12歳”だ。

彼女もまた孤独な少女である。
父親らしき男と二人暮らしだ。

孤独な少年と、
孤独な少女は、
惹かれ合って、
互いを求める。

だが、エリには大きな秘密がある。
エリは人の血を吸って生きている。
そう、エリはヴァンパイアである。

ウソとも思えるようなエリの存在だけど、
オスカーは疑う事もなく素直に受け入れ、
いつしかオスカーには大きな存在となり、
エリのすべてを知った時のオスカーには、
例えエリは見た目と違っても受け入れる。

本作最大の見どころは雪化粧、
それと悲哀感に満ちたBGM、
心を通わせる二人の小さな恋、
二人の心を繋ぐモールス信号。

ここまでは作品として良作だろう。
しかし、大きな問題が一つあります。
それはボカシのあるシーンだろう。

本作はポルノ映画ではありません。
オリジナルでは無修正であって、
原作の方でもしっかりと描かれる。

大きな意味を持つシーンにボカシを入れる。
タイトルからしても別の作品にしています。
本来の意味合いから逸れた改ざんと言える。

日本映画界の傲慢なやり方。
観る側は事実を伏せられて、
都合のいい解釈で上映する。

だから日本映画界はダメになる。
こんな事ばかりをしていると、
海外から見向きもされなくなる。

とは言え、日本は大きなマーケットで、
海外からは無視される事はないだろう。
だが、物語の意味合いを変える改ざん、
原作者や製作者に対して無礼だと思う。

原題は『正しき者を招き入れよ』です。
全然意味合いが違うから不思議ですね。

RE-110