COZY922

ぼくのエリ 200歳の少女のCOZY922のレビュー・感想・評価

ぼくのエリ 200歳の少女(2008年製作の映画)
3.3
彩度の低い厳寒の北欧の風景が、残酷さと繊細さ、寂寥感と神秘性を助長する。冷たく白い雪と生暖かい血の赤が鮮烈なコントラストで視覚に訴える。独特な空気漂うヴァンパイアものです。

一見 少年とヴァンパイアの恋の物語のようでいて、実はそうではなくヴァンパイアと孤独な人間の哀しい共依存を描いている。エリのために血を集めていた中年男性の末路。彼がいつからエリと一緒にいたのかは描かれないが昨日今日のことではないだろう。あの役目を今度はオスカーが負うことになるのかと考えると、これはラブストーリーではなく、ヴァンパイアが恋を装いながら 自分を守って尽くしてくれる人間の” 保護者 '' を狩る物語なんだと受け取れる。

生き長らえるための血の確保を人間の男性に頼るヴァンパイアと、ヴァンパイアから依存されることに自己の存在価値を見い出す人間。愛情という名の支配というべきか、愛情のようなものにコーティングされた計算というべきか。

少年オスカーが年老いて死ぬ その時にエリは彼を食して また次の” 保護者 ” を見つけるのだろうか。願わくば、オスカーが死ぬ時、彼女もまた死を選んでほしいと思ったりするラストシーンだった。