タケオ

ぼくのエリ 200歳の少女のタケオのレビュー・感想・評価

ぼくのエリ 200歳の少女(2008年製作の映画)
4.2
いじめられっ子のオスカーと12歳の少女の姿をしたバンパイア エリの交流を描くホラー•ロマンス。

理解者を求める少年と血を求める怪物、"孤独"な2人が惹かれあっていく姿が詩的に描かれていて、その美しさについ魅了されてしまいました。

その一方で、ホラー映画らしい血飛沫やグロ描写も忘れないという芸の細かさには舌を巻きます!

クライマックスのプールのシーンに至っては、美しさと凶暴性が一つのシークエンスに見事に共存していて妙な爽快感すら覚えました( ゚д゚)

でも本作、邦題と規制によるボカシ加工のせいでストーリー上でも大切な"エリは実は少女ではなく少年である"という事実が鑑賞者に伝わりずらい。

本作は種族を超えた少年少女の恋愛劇ではなく、種族や性別を超えた2人の愛の物語なんです!

北欧の雪景色を染め上げる鮮血と、優しい月明かりが照らし出す小さな2人の愛の行方。

孤独を抱えながらも淡い夢を見るアウトサイダーたちへの、ささやかなラブレターのような作品です。
タケオ

タケオ