のほほんさん

ぼくのエリ 200歳の少女ののほほんさんのネタバレレビュー・内容・結末

ぼくのエリ 200歳の少女(2008年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

血を飲まないと生きられないエリは、彼女の為に血を調達(だいぶ猟奇的なやり口)してくれる「父」とずっと生きてきた。

それまでどんな風に生きてきたのかはわからないが、居場所を転々とし落ち着くことはなかったろうし、出会いよりも遥かに多い別れを経験してきたのだろう。エリが最初にオスカーに言うのは、「友達にはなれない」だったけど、踏み込まない事で彼女は傷つくのを避けていたのかもしれない。

そんな彼女だからオスカーの孤独と共鳴したのだろう。

一方でこれは少年の成長物語でもある。
イジメにあって孤独な彼は猟奇犯罪の記事をスクラップにしていたり鬱屈しているが、エリとの出会いで勇気を持ってイジメっ子に立ち向かったり身体を鍛えるようになったり。いきがる様になったり秘密を明かしたエリに上から目線で接したりするようになる。少女の血を見るのも通過儀礼であろうし、その結果優しさを取り戻すなんて、いかに心の澄んだ人間なんだろうか。

オープニングとエンディングで映る、風に巻き上げられる粉雪。オープニングでは荘厳な音楽が流れて只ならぬ不安に包まれるが、エンディングでは美しい音楽が2人の新たな一歩を祝福する。

やがてオスカーは、エリの為に血を調達する「父」の役割を果たすようになるのだろう。そう考えるとあの禿げたおっさんはエリにずっと純愛を捧げたかつての少年なんだろう。
ということは、この物語は1つの純愛物語が哀しい終幕を迎え、そしてまた新たな純愛物語が幕を開けるお話だったのか。
そしてこれは何度も繰り返される。

切ない。そして歳を取れないエリの孤独は辛い