KanoーseiKo

ぼくのエリ 200歳の少女のKanoーseiKoのレビュー・感想・評価

ぼくのエリ 200歳の少女(2008年製作の映画)
4.3
苦しい…。熱を感じる一本だった。


許せるものと許せないものがそれぞれにあって、でも、許せないものとの戦い方は多くはないと思う。
無視するか、懲らしめるか。

2人がやっていることは、後者なんだけど、幼いながらも覚悟すら感じるから美しく映る。
「入っていいよ」って言葉はもう互いにしか言ってもらえないんだっていう、悲しい叫びが聞こえてきて、苦しかった。

特に、血で真っ赤に染まった唇でキスするシーン。胸がキューってなった…。

そして工夫がそこかしこに。
鏡にうつった侵入者、飛んでいるシーンはあえて見せず音だけ、靴だけを執拗に映すカットの理由…。
どれも本当に凝ってる。すごい。

そして、あのガキ3人組。
実際に殴っている少年たちは殴られる痛みを自分も少なからず感じている一方で、指示だけしてるクソガキは全く痛みを感じていない、というのが、あのガキ連中の卑劣さを表していたと思う。

これは、観賞後、いろいろ語れる映画だと思う。あの2人の戦い方を私は肯定したくはないけど…ただ、美しかった。
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