YukiYamada

傷物語I 鉄血篇のYukiYamadaのレビュー・感想・評価

傷物語I 鉄血篇(2016年製作の映画)
3.4
ストーリー的にはかなり薄めの感のある三部作第1作目。

魔法少女まどか☆マギカの時にはあんなにはっちゃけていたというのに、神経質なまでの原作準拠ぶり。もっとぶった切ったりくっつけたりしてよかったのに、と思われるほど忠実に原作を消化していく形で映像が流れていく。どうしてこうなった。
クレジットから察するに動画までの工程をほとんど国内で済ませるという、とてつもない気合の入れようであり、たしかに映像ひとつひとつのクオリティは高水準であった。演出も間違ってはいない。しかしいまひとつピンとこないというか、内容の進行速度と画の密度があってないというか。ここ、そんなに力入れるところか?という描写が目立つ。要はどうでもいいところまで気が抜けないうえにテンポが遅いので、見ていて若干疲れるのである。この進行速度であれば別に前後篇でよかったのでは?とも思われる。
確かに三部作にすれば前後篇にするより集客は1.5倍になるだろう(単純計算)。しかし、それで違和感のある中身になるのでは元の木阿弥ではないだろうか。
今回の画から感じたネガティヴな印象の中には、3DCGを用いたBGとセルの徹底的な差別化という命題も含まれると思うが、これは触れ出すときりがないので省略。誤解を恐れずに言うなれば、「イノセンス」で押井守が試していた(と思われる)セルとCGの融点の新たな探求、といったところだろうか。(もっとざっくり言うとデジタルの新たな表現方法の壮大な実験、とでも言えようか。)はっきり言わせてもらうと、本作の作風に合うかどうかは微妙、といったところだ。ただし、試みとしてはむちゃくちゃ面白かった。あと2部も残っているので、最終章でどこまでこの演出が生きてくるのか注目したいところである。これだけでも続編をフォローする価値があるというものだ。
これからアクションも増えることなので、今年の夏に期待したい。

そういえばキャラデが若干ディテール増しな方向に変わったのは、たぶんBGの3DCG化に伴ってのことなのだろうか?個人的には割と良かったと思う。

追記:それにしても、西の高校生探偵と同じハシゴの仕方をしてしまうとは…笑"