ナガ

傷物語I 鉄血篇のナガのレビュー・感想・評価

傷物語I 鉄血篇(2016年製作の映画)
4.7
【シャフトがまた日本アニメーションの新たな1ページを開く⁉︎】

正直、物語シリーズってあんまり好きじゃない。原作もアニメも一通り見てるがあんまり好きではないのだ。そして最近のシャフトも正直枯れたなって感じがしてた。物語シリーズにあぐらをかき、とても良質とは言いがたい作品を連発した。ささみさん、メカクシ、ニセコイなど。もはや見るに耐えないレベルの作品が多かった。だから正直今作あまり期待せずに見に行った節が強い。しかし、予想をこんなに裏切られるとは思ってもみなかった。

ストーリーの内容は原作を知っているので、ゆっくり目ではあるがかなり忠実に作ってるな〜と思う程度だ。驚くべきはその圧倒的な映像だったと思う。最初の廃塾の屋上に登っていくシーンでいきなり度肝を抜かれた。風になびく髪、微妙な表情の変化、計算された違和感の無い筋肉の動き、そして動きに合わせて変化する服のシワまで。あらゆる点で見て実写の映像を見ているのではないかと目を疑うほどに自然な動きだった。ここまでのアニメーションは自分が見た中では初めてのものだった!スタッフを見ればほぼ純国産アニメーションではないか!日本のアニメーションはやはりとんでもない水準にあるのだと改めて思い知らされた!

ここでテーマに立ち返るが、映像や演出の革新性という点で、シャフトはつねに日本アニメーションを引っ張る存在なのだと改めて感じた。人気が出て、普段アニメを見ない人まで巻き込んだような作品はいくつかある。でもその作品を見てもアニメ映像として何か新しさがあるか?と言われたら別にそんなことはない。しかしシャフトが絶望先生やまどかマギカ、そして物語シリーズなどで見せてきた映像は常に視聴者に新たな刺激を与えてくれるものだった。実際の写真を取り入れたり、極限まで簡略化し、どこか別の世界をも思わせる不思議な背景。文字でセリフを挿入する独特な演出。キャラクターの独特な動き。シャフトが見せてきたのはいつも新しい映像だった!そして今作。いつもの物語シリーズの良さを残しつつ、キャラクターの動きのアニメーションを進化させてきた。

最初にも言ったが、私はシャフトのアニメはあまり好きではない、だが、いつも新しさと驚きを与えてくれるのはシャフトなのだ!