七坂忙殺とかマジ勘弁

傷物語I 鉄血篇の七坂忙殺とかマジ勘弁のレビュー・感想・評価

傷物語I 鉄血篇(2016年製作の映画)
3.1
「ようこそ、夜の世界へ」

物語シリーズ第一作目である化物語が映像化され、その冒頭数十秒で語られていた傷物語。それから物語シリーズも多くメディアミックス化され満を持して放映された、始まりの物語。それはファンにとってとても感慨深い物だったであろうと思う。まさか三部作だとは予想すらしていなかったけど。
今回の鉄血篇では阿良々木くんがキスショットにいかにして出遭ったかが描かれている訳だが、展開が遅い事は否めない、三部作だし尺の都合もあるのだろうが、テンポは良いとは言えない。続篇になる熱血篇が夏に公開するという事実を鑑みると、少々スパンをあけ過ぎなのではないだろうか。
しかし、製作に時間がかかっているぶん熟成された作画にはこだわりがあって新房監督の独特の世界観が発揮されていた。キスショットを発見するまでの描写は後戻りの利かない存在に近付いているという阿良木の心理描写を表していたり、キメ細かい息遣いは十分に臨場感や緊張感を感じた。忍野のスタイリッシュな登場シーンも心痺れたし、羽川のまるで物語シリーズ初見の方だったら物語シリーズ全体のメインヒロインではないかと思うような茶目っ気にも心ときめいたし、声優って凄いなと改めて見せつけられたようであった。音楽は化物語の音楽を担当していた神前暁さんで、これまたシーンごとの音楽が良かった。物語の雰囲気に調和して一体化しているようで、違和感なく鑑賞する事が出来た。これに物語のテンポの良さが加われば.....ともあれ、起承転結の起としては掴みはバッチリであったように思う。

この高揚を胸に熱血篇に期待を寄せて夏を待つ