グラッデン

キングコング:髑髏島の巨神のグラッデンのレビュー・感想・評価

4.2
「怪物VS人類」から「怪物VS怪物」への移行を宣言するような作品。陸の孤島でバトルすればコンプライアンス上も無問題(笑)

ギャレス・エドワーズ監督によるゴジラはもちろん、『パシフィック・リム』や『シン・ゴジラ』に胸を躍らせた俺たちが見たいモンスター映画のど真ん中直球の作品であったと思います。
そういう意味では、数年間で生まれてきた新たな流れを汲み取り、次なるステージにバトンをつないだ作品としても重要な役割を果たしたかもですね。

技術革新を経て実現したコングの躍動感に加えて、感情の起伏や賢さを交えて描いたコングは「モンスター」ではなく「コング」である存在証明に感じました。
まさに「キングコング」の異名を持っていたブルーザー・ブロディを連想させる戦い方で、プロレスファンであった当方にはニヤニヤものの展開でした。

また、現実の記録映像を流しながら、作品世界における架空の記録を組み合わせる冒頭の作りこみは、上記でも触れたギャレゴジでも見られたアプローチでありましたが、太平洋戦争中に島に取り残された米国空軍の兵士の視点、エンディングの締め方に繋げる意味でも非常に良かったです。

余談ですが、本作を見ながら、ギャレス・エドワーズ監督が『ローグワン』において記録映画のようなアプローチ(正確に言えば『地獄の黙示録』)にトライして頓挫したということを思い出してしまいました(汗)

見終った後、子供心を忘れない大人がビールが飲みたくなる映画。最高。