社会のダストダス

キングコング:髑髏島の巨神の社会のダストダスのレビュー・感想・評価

3.5
“我々の翼は高熱で鍛え硬く仕上げた、ペンシルバニア鋼だ” →大破

急に偏差値3くらいになった、モンスターバースシリーズ2作目。
ハリウッドの古典クリーチャーを大胆なオリジンでリブート。
前作で話の半分の尺を引っ張った人間ドラマが不評だったのか、今回ストーリーは実質無いという思い切りの良さ。ドッカーン!ファイヤァァァ!!ヒャッハーッ!!!という感じの内容になっている。

一応「Godzilla」の前日譚なので、モナークという組織の成り立ちだったりと色々あるけど忘れても問題ない。
A級のキャストを集めた、みんな大好き古き良きB級なノリのパニック映画。

新たに設定されたコングのキャラクターは騒音にキレるおっさん。
前作の嫌味なほどに人類を黙殺したゴジラ先生とは対照的に、初っ端から覇王色の殺気全開。クソを投げつけてくるゴリラのように、自分の領域に立ち入る外敵に洗礼を浴びせる。高熱で鍛え硬く仕上げたはずのペンシルバニア鋼の機体が紙屑のように引き裂かれる。

それを見つめるもう一人のゴリラ。この映画、一応敵怪獣はスカルクローラーというトカゲがいるけど、真のヴィラン枠はマザファカおじさんことサミュエル・L・ジャクソン。パニック映画には必ず一人いるタイプの味方を死地へ引きずり込んでいく指揮官。
終盤のコングとの対峙シーン、ゴリラみでは負けていない。
キャストに関しては今回も、本作を最初に観たときには持っていなかったMCU知識のおかげで(以下略。トム・ヒドルストンはロキ様とは正反対の正統派良い奴で裏切ったりしなさそうだし、あっちの世界線ならコングより強そうなブリー・ラーソンは従来キングコング作品定番のコングの姫枠。

本作のコングは成長途中で、身長は30メートルほど。高い建物の無い島が舞台だから、ジャングルの木々に隠れるくらいで設定したのだろうか。続編では約120メートルのゴジラと戦うが、どんな食生活と筋トレで大きくなるのだろうか。
コングさん体重158トンとあるけど、ゴジラは10万トンなのでクシャミの風圧で死んじゃいそう。

「キングコング対ゴジラ」オマージュと思われるコングと大ダコの戦闘シーン(エロい触手プレイ)や、終盤のスカルデビルとの即席武器を用いた戦いなど昼間の戦闘シーンが多いので、前作より怪獣たちがくっきり見える。コング以外にも変な生き物がたくさん出てきて、自分の中の小学生心をくすぐられる。

この頃からレジェンダリー・ピクチャーズは中国企業に買収されたのか、配給でもキャストでも強い影響力を感じる。ニッチな需要を叶えるレジェンダリーとチャイナマネーの組み合わせは最高なので、これからも訳の分からん映画に大金をつぎ込んでほしい。