東京から田舎へ越してきた美少女の主人公と神主一族の跡取り息子との恋愛を描いた物語。全体的に作中の音楽がやけにうるさいように感じた。ストーリーとリンクした歌詞があるわけでもなく、その場面に合った雰囲気を演出してるわけでもない音楽が所々流れるとストーリーに集中しにくくなる。ストーリーとしては美少女である主人公をはじめ、数多くの登場人物との絡みがあるが、長い物語のせいか人間関係を省きすぎてるように感じた。内容は追うことができたが、展開として起こる違和感が大きくて映画の作りが雑に見えた。そのように感じたもう一つの点は数多くの登場人物を作中に登場させながら、彼らそれぞれの終わりをきちんと描けていないこと。メインの男女は描いたのかも知れないが、脇を固めた人物たちが中途半端に描かれて作品が終わっているからきりが悪いように感じた。
作中登場人物たちが取る行動の理由が弱すぎて、道理に納得しづらい。映画として伝えたいメッセージが何なのか抽象的な事象を重ねすぎていて分かりにくい。神への信仰のあり方を示したのか。女の人の固定された生き方の概念を変える方法を示したのか。結果的に伝えたいことが何であってもラストが作中のような一つの結末に絞られたとは到底思えない。ラストの結末が一つでなければならないストーリー構成でないから共感しづらく、楽しめない。