鍋山和弥

溺れるナイフの鍋山和弥のネタバレレビュー・内容・結末

溺れるナイフ(2016年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

この作品は、一風変わってる。だが、青春だなぁ~って感じさせてくれる。まず、ナツメ。彼女は、かなり、妄想少女だと思う。最後の、レイプされかかった夢を見るシーン。コウと、バイクに、2ケツするのを、妄想するシーンで、それが分かる。彼女は、コウを神様と言った。きっと、彼女は、自分を助けてくれる、ヒーローを望んだのだろう。そのヒーロー像に、コウを見たのだろう。コウの大胆な行動が、ナツメのコウ像を、神格化させた感じがする。妄想癖のある、女の子らしい女の子。コウは、田舎の村で、退屈な毎日を、送っていた。立ち入り禁止区域に入り、海で泳ぐ。こんな田舎に埋もれず、あとも継がず、飛び出して、力を持ちたかったのだろう。その反発で、立ち入り禁止区域で、泳ぐ。その反発心が、コウを素直にさせない。だから、コウはナツメに言う。『お前なら、分かってくれると思っとったと。これが、レイプ未遂事件前のコウ。レイプ未遂事件後の、コウは、変わった。ナツメは、レイプされずに済んだ。だが、それは、自分が、助けたからじゃなく、助けが来たから。コウは、悔しかったのだろう。危ない連中とつるみ、ナイフを手にした。力が欲しかったと、踠いてたのかもしれない。ナツメの方も、コウに助けて欲しかった。コウに、神様で、いて欲しかったからだろう。それでも、ナツメは、コウに惹かれる。やはり、コウの強がりからくる、大胆な行動が、ナツメを惹き付けるのだろう。でも、コウは、ナツメを捨てた。そのショックから、優しいオオトモと付き合う。だが、オオトモは、強がりはなく、神様にはなれなかった。やはり、ナツメが惹かれるのは、コウ。たが、それでも、コウは、ナツメを突き放す。コウは、ナツメが、羨ましかった。田舎を出て、手に入れたいものを、手に入れる力のあるナツメが、羨ましかった。だからコウは、余計に、ナツメを突き放した。自分のような、無力な存在なんか、踏み越えて、芸能界で、成功という、力を手に入れて欲しくて。ナツメの中の、神様コウは、実際のコウとは、ズレがあった。それが、最後のシーンに、繋がった。レイプ未遂される夢を見たナツメ。その夢の中のコウこそ、神様コウ。神様コウは、見事、レイプ魔を倒した。やはり妄想。当のコウは、火まつりで、演舞している。その演舞と、レイプ魔撃退の夢のカット割の絡み合い。見事でした。僕には無い発想です。ナツメの妄想の世界の、神様コウは、ナツメが、芸能界で、成功した後も、ナツメを見守るのでした。でも、きっと、実際のコウは、1人間な気がしますが・・・・。これは、妄想癖のある、女の子らしい女の子の物語。
鍋山和弥

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