ベルサイユ製麺

溺れるナイフのベルサイユ製麺のレビュー・感想・評価

溺れるナイフ(2016年製作の映画)
3.0
原作が大好きでハラハラしながら読んでいました。でも、面白いのかそうでもないのかは最後まで分からなかったんですよね。
で、映画の方はというと、全く面白くは無い!とはっきり思ってしまいました。
大変に才能の有る優れた俳優達のそれぞれの絡みのシーン、風景の超絶的な美しさ、生々しい長回しなど、(特にそれらが合わさる時)心踊る場面はあるのですが、それらが作品の内圧を高める様に作用していないと感じました。だから、見てはいられるけれど面白くは無い、かな。テーマ、とか、ない⁈
劇中の挿入歌は、好きな人は嬉しかったりガッカリしたりなのでしょうね。個人的にはいささか唐突というか、若い人・サブカル方面への目配せみたいで、ちょっと嫌です。
劇伴は本当に陳腐。醒めるを通り越して、『ポロ〜ン♩』とピアノが鳴り出した時は吹き出してしまいました。大衆を舐めすぎてはいないかい?
志磨さん、随分な映画撮った事になっちゃってるな笑、と思いましたが、原作にもこのテイスト(マス的な物へのみくびり)は有りますよね。

あぁ。全然褒めて無いな。とにかく美しく撮れてはいるので全くの無音で眺めると良いかも。
個人的には、アート志向の強かった頃の河瀬直美監督が撮ると凄かったんじゃないの?って思いましたよ。