kuzira

溺れるナイフのkuziraのレビュー・感想・評価

溺れるナイフ(2016年製作の映画)
4.4
一生に一度の恋愛を、一生分味わった
身体の隅から隅まで大好きで溺れて
息ができないくらいに貴方が欲しかった

呼吸する方法を忘れてしまったのは、
いつしか呼吸できる場所は
貴方の中でしか見つけられなかったから
それで良かった、それが良かった

互いの存在はあまりに鋭くて
呪いはナイフに変わってしまって
傷つけあう事も舐め合う事も恐くなる

そんなれっきとした、恋愛暴力を
消費しまくった、されまくった純愛暴走を
ことごとく唯一無二の狂愛暴動を


誰のものでもいられないで、
自分だけのモノでも在り続けないで、

どうか自分の才能に殺されないで。
潰されないで。どうかどうか溺れないで。

一生解けない呪いに苛まれながら
一生溶けない貴方のものでも在り続けて。


現実世界、人間は所詮
ナイフというかフォークぐらいだから
なんなら僕はスプーンかもしれないから
漫画の中だけは、映画の中だけは

傷つく事はどうしても怖すぎるし、
傷つける事なんてもっと恐いんだからね


こんな革命的な少女漫画原作の映画を作ってしまったんですね、
幸せの深呼吸の、途方もない溜息よ
kuzira

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