私の映画

溺れるナイフの私の映画のレビュー・感想・評価

溺れるナイフ(2016年製作の映画)
4.2
わたしは誰かに恋をすることをその人へのある種の信仰だと思っているので、なつめがこうちゃんのことを(たぶん)二度と会うことができなくても"私のかみさん"とこうちゃんに(恐らく死ぬまで)強い思いを抱き続けることにとても心揺さぶられたしその年頃の子たちのピュアと眩さと傷つきやすさ脆さに涙が止まらなかった。

こうちゃんとなつめのヒリヒリと痛い痛い不安定な、激しい感情がうんと波立つような、そういう危うげで繊細で感傷的な雰囲気に溢れてる。脆く繊細ななつめとこうちゃんを見ているとなんでだか涙ぐんでしまう。だってふたりともお互いを強く思うあまりとてもつらそうだったから。

小松菜奈と菅田将暉の線の細い儚げな絵面がひたすらにうつくしい。菅田将暉の射るような鋭い眼差しや10代の華奢な身体で野生動物みたく身軽に動き回る様 小松菜奈と菅田将暉が海水を浴びてびしょぬれになる様 ふたりで野良猫みたく逃げたり逃げられたりする様

お互いに強く惹かれあって離れたくないはずなのにだからこそ一緒にいるとひどく不安定になり傷ついてしまうやるせなさ。心が剥き出しで感受性の鋭い十代の頃の恋愛はきっと一生忘れられない。そのひとの思春期に強烈な印象を残した初恋の相手をかみさまと崇めるのもすごくわかる。

原作は知っていたけど読んだことがなくてこの映画をきっかけに読んでみたいと思った。映像はきれいで圧倒なシーンも多かったけれど脚本は若干雑かなと思ったので けどなつめ、こうちゃん、大友の魅力は役者の演技がすごくよくて存分に伝わってきた。なつめと大友のシーンは泣けて泣けて仕方なかった。大友良いやつすぎる。すごくかっこいい。
私の映画

私の映画